1.戦争で死んだある兵士の話
一九六〇年十一月四日、ロンドンのあるアパートの薄暗い一室で、二人の男性と一人の女性が座って何かを待っていた(ウッズとフリント、グリーン女史である)。彼らは、ここ五年間、月曜日の午前中、いつもこうした集まり(交霊会)を持ってきた。彼らは、地上の誰もがまだ行ったことのない、しかし、すべての人が例外なく将来赴くことになる、死後の世界からの“メッセージ”を待っていたのである。
交霊会の沈黙は、ロンドン訛りのあるしわがれ声によって突然破られた。テープレコーダーのスイッチが入れられた。その声は四十六年前、第一次世界大戦中に死んだ兵士からのものだった。彼はフランダース戦場の
「私はごく普通の人間にすぎませんから、私が今から話すことは、多くの人々にとってあまり役に立たないかもしれません」
「あなたのお名前は?」とグリーン女史が尋ねた。
「私はたいした人間ではありません。私の名前はプリチェット、……アルフ・プリチェットと言います」
戦場での死
(プリチェットと名乗る霊は語り始めた)
それは一九一七年から一九一八年にかけてのことだったと思います。何しろかなり昔のことですから、正確にいつのことだったか、あまり自信がありません。私たちは終日、激しい敵軍の砲撃にさらされていました。そのとき私は、「もしこんな中で死なずにすむなら、本当に運がいい」と思いました。次の日、朝早く、私たちに塹壕から突撃する命令が下りました。
その後、私はたしかに塹壕から飛び出して敵軍に突撃したことを覚えています。(プリチェット本人は自覚していないが、この直後、彼は戦死したのである――訳注)
私はどんどん前方に走って行きました。そのとき数人のドイツ兵が、私の方に向かってきました。ところが彼らは、私の所をまっすぐ素通りして行ってしまったのです。まるで私が見えなかったかのようでした。彼らは私を攻撃するでもなく、私に関心を示すでもなく、私の所を勢いよく通り過ぎて行ってしまいました。
私は「はてな、これはいったいどうしたことだ?」と思いました。私はそのまま前進しました。どんどん走って行ったことを覚えています。「もし彼らが私に気がつかないなら、私は何も彼らのことを心配する必要はない。どこか小さな穴に飛び込もう。そしてしばらくしてからそこを出て行こう」と思いました。私はそのとき、心の中で願っていたような爆弾でできた穴を見つけ飛び込みました。そしてその中にうずくまり、「この恐ろしい状況が通り過ぎるのを待とう。一番いいのは捕虜になることだ」などと考えていました。
「彼らが私に気づかなかったなんて不思議なことだ。本当は私に気づいていたに違いない。しかし彼らは、まっすぐ通り過ぎて行ってしまった。なぜだろう?」
――私はいろいろ考えましたが、どうしても理解できませんでした。
死んだはずの友人との出会い
それからどのくらい、そこにいたのか分かりません。とにかく私は眠ってしまいました。次に、目の前にまぶしいほどの明るい光を見たことを覚えています。私には何が何だか分かりませんでした。それは今まで私が一度も見たことのないような光で、辺り一面を同時に照らしていました。その光はあまりにもまばゆく、私はしばらく目を閉じていなければなりませんでした。
「これは何かの発光装置だ」と思い、少々怖くなりました。
すると突然、それが形をとり始め、やがて光明満ちあふれる人間の姿になっていきました。私は本当にびっくりしました。それは私のよく知っている友人の「スマート・ビリー」でした。その彼が今、私の目の前にいて私を見つめているのです。
しばらくして私は、自分が起き上がっているような感じがしました。奇妙なことに、本当に自分自身が起き上がっていることに気がつきました。私は、それまで終日ここで横たわっていたに違いないと思いました。堅さとか不快感・不便さを感じて当然なのに、そのときはそうした感じが全くありませんでした。それどころか、鳥の羽毛のような軽やかさを感じました。
私は「何かが私の頭を混乱させている。たぶん私は頭がおかしくなってしまったのだ!」と思いました。
私は磁石のように彼の方に引き寄せられました。彼が生命力に満ちあふれているのが分かりました。彼の顔は素晴らしい色彩に輝いていました。彼に近づいたとき、「そういえば彼は死んでいたんだ」ということを思い出しました。最初に彼を見たとき、彼がすでに数カ月前に死んでいたことに気がつくべきでした。しかしそのときは、彼が死んだ人間だとは思えませんでした。
私は彼の方に引き寄せられました。彼は私に笑いかけました。そして私も彼に笑い返しただろうと思います。彼は私に手を差し伸べました。当然、彼と握手をするのだということは分かりましたが、少々馬鹿げた感じがしました。何しろ戦場にいる私が、すでに死んでいる人間と握手をするのですから……。冷や汗が吹き出すようでした。
「いったい何が起きたのか? 自分は夢を見ているに違いない」しかし確かに私は、彼が話す言葉を聞いています。そのうち彼が「大丈夫、何も心配いりません」と言いました。「これは全く馬鹿げたことだ。何かが間違っている」――とにかく私は彼の手を握りました。すると突然、体が宙に浮かぶような感じがしました。今、自分がどこにいるのか分からないのに、彼の手を握ったまま空中に持ち上げられました。私は何年か前に見たピーターパンの映画を思い出しました。「これは実に面白い夢だ!」
私の足は地面から離れました。それは空中に浮かんでいた、としか表現のしようがありません。徐々に高く上がって行くにつれ、まわりのすべてのものが遠のいて行きました。はるか下の方に戦場が見えました。銃や爆発の閃光も見えました。明らかに戦争はまだ続いています。「これは本当に特別な夢だ!」
次に大きな町のような所へ近づいて行ったことを覚えています。そこは光り輝いていました。そのときの情景は、私にはこのようにしか表現できません。そこの建物はまわりに光を放っていました。そのうち突然、足が地面に着いたような感じがしました。不思議なことに、地面は堅く感じました。それから長い並木道のような所を歩いたことを覚えています。その道の両側には美しい木々が立ち並び、その木と木の間には彫像のようなものが置かれていました。
そして歩道を、見慣れない衣服を着た人々が行き来していました。彼らはよく絵画などで見るローマやギリシア時代の人々のようでした。柱のある美しい建物があり、そこに続くみごとな階段が見えました。大部分の家々の屋根は平らでした。これまでイギリスでこんな平らな屋根の建物は見たことがありません。この建物は大陸様式だろうと思いました。それらの建物からは光が放たれ、そこにはいろいろな国の人々がいました。ビリーが、
「もちろん君は自分の身に起きたことが分かっていますね」と言いました。
「私の身に起きたこと? 今、私が知っていることは、ここは楽しい所だということだけです。素晴らしい夢を見ているということだけです。目が覚めて元に戻るのは残念です」
「心配には及びません。目が覚めることはありません」
「それはどういう意味ですか。目が覚めないとは?」
「あなたは死んだのです」と彼は言いました。
「バカなことを言わないでください。どうしてこの私が死んでいるのですか。私はここにいるじゃないですか。私にはまわりのものが全部見えています。……しかし私はあなたが数カ月前に死んだことも覚えています。私には何がなんだか分かりません。私はきっと夢を見ているのです」
「いいえ、あなたは夢を見ているのではありません。本当にあなたは死んだのです」
「まさか! どうして私が死んでいるのですか。ここに私がいないとでも言うのですか」
「あなたは、たしかにここにいます。しかしあなたは本当に死んだのです」
「じゃあ、ここは天国ではないということですね」
「正確には天国ではありません。しかし天国の一部です」
私は心の中で“天国の一部”とはどういう意味なのだろうか? と考えました。
あの世の病院
私たちはこの美しい町の中の道を進んで行きました。そして丘のような所に出ました。右前方に美しい建物が見えました。それはちょうどロンドンで見かけたような建物でした。ただロンドンのものより、ずっと白くて美しいです。
「あの建物は何ですか?」と彼に聞きました。
「今からそこへ昔の友だちに会いに行くのです。われわれはそこを“レセプションセンター”と呼んでいます」
「何ですか。それは?」
「病院のような所です」と彼は答えました。
「私は病院なんかに行きたくありません。どこも悪くありません。健康です。私は病院には行きません」と言いました。
「心配しないでください。そんなに興奮しないで。そのうち分かるようになりますから、今はリラックスして楽しい気分でいてください」
それから私たちはこの建物の中に入って行きました。おかしなことに、そこにいた人たちは、これまで私が見慣れている人たちと、ほとんど同じような服装をしていました。私はそこで太陽を見た覚えはありませんが、常に光が満ちあふれていました。人々が座って話をしていました。テーブルとイスはありましたが、ベッドはありません。これは変わった病院だと思いました。人々はみんな明るく元気そのものに見えました。ある者は話をし、ある者は食事をしていました。私はその光景が目にとまりました。
そこで彼に、「見てください。向こうで食事をしている人がいます」と言うと、「ここは、自分がしたいと思うことが何もかも実現する世界なのです。もし、あなたが食べたり飲んだりしたいと思うなら、それがそのまま実現するのです」
私は他の人たちと一緒にイスに座りました。
「ここへきたばかりなの?」と彼らは言いました。
「ええ」
「あなたがここへくることは聞いていましたよ」と一人が言いました。
「それはどういう意味ですか。私がくることを聞いていたというのは? あなたは私を知らないはずですが……」
「あなたは、私たちが見張り人を置いているように思われるかもしれませんが、そうではありません。私たちを助け導いてくれるここの人々から、あなたのことを聞いたのです。私もここにきて本当に間もないのです」
「もうここの生活に落ち着きましたか?」と聞いてみました。
「とてもよい所です。地上でこれまで聞かされてきた所より、ずっと素晴らしいです。これまで言われてきたような世界は本当はありません」
「それはどういう意味ですか?」
「これまで私たちは、天国とか地獄とか、終末を告げる天使のラッパの話を聞かされてきました。しかし、それらはすべて間違いです。教会の教えに忠実な人間は天国に行き、教会の教えに背く者は地獄に行く、という考え方はすべてデタラメです。ここは、地上時代そのままの世界なのです。ただあらゆるものが地上時代より、ずっとよくなっています。ここは本当に素晴らしい所なのです。明日、私はここを出て行きます」(キリスト教では「人間は死後、天国か地獄のいずれかに行くようになる」と考えられている――訳注)
「どうしてですか? どこへ行くのですか?」
「祖父と祖母に会いに行きます」とその人は答えました。
もちろん私は彼の言うことをすべて信じることはできませんでした。しかし私は、他の人たちと一緒にここにいて話をしている方がいいと思いました。彼らが言うように、私はこれからここにいなければならないのなら、とにかく彼らと仲良くしておく方がいいと思いました。私は彼に、
「あなたのおじいさんとおばあさんはどこにいるのですか?」と聞いてみました。
すると彼は答えました。
「祖父も祖母も私たちと同じこの世界にいると、聞かされました。ただしずっと離れた所にいるそうです。私は明日そこへ連れて行ってもらうのです」
「誰が連れて行ってくれるのですか?」
「私の指導霊(ガイド)です」
「指導霊ですって?」
「そうです。ここにはそうした素晴らしい方々がたくさんいらっしゃるのです。地上で言うスチュワードのような仕事をしていらっしゃるのです。私のガイドは、私のこれまでの経歴や地上時代の知人について何もかも知っています。その上で私を指導してくださるのです。あなたはこちらの世界にきたとき、何かおかしいと気がつきませんでしたか? 体が軽くなったと感じませんでしたか? 空中に浮かび上がるような感じがしませんでしたか?」
「たしかに少し変だと思いました」
「実はそれがここでの移動の仕方なのです。ここでは歩く必要はありません。空を飛ぶような状態で移動ができるのです」
「他にどんなことができますか? あなたはご自分のことを“死んだ人間”だと言いました。人が死んだとき一番大切なことは、言われた指示に従ってその通りにすることだと思いますが……。結局は、自分は誰から裁きを受けるようになるのか分からないのですから」(この兵士は地上時代の教会の教えによって、誰もが死後「最後の審判」を受けるようになると信じている――訳注)
「いいえ、誰もあなたを裁いたりはしません。私が理解したところでは、人間は自分で自分を裁くようになるのです。他人から裁かれるのではありません。私はここにきて以来、ずっと地上時代のことを振り返ってきました。昔の過ぎ去ったことに立ち戻り、いろいろ考えてきました。唯一はっきり言えることは、自分で自分自身を判断し裁くようになる、ということです。誰もが間違いなく持っている良心によって、地上時代の自分自身を判断するようになるのです」と彼は言いました。
「私が覚えている限りでは、私がしでかしたたった一つの悪いことは、ネコを溺れ死にさせたことです。そうそう、それとビールをただ飲みしたことです。そのとき店が混んでいて店員が私のことを忘れていたので、私も黙っていました。しかし、そのことはそんなに悪いことだとは思いませんが……」と私は言い訳をしました。
「大丈夫です。心配いりません」と彼は言いました。
「ところで私は地上に戻って知り合いに会いたいのです。彼らがどのように暮らしているか見てみたいのです。彼らは私が死んだことを、もう知っているのでしょうか?」
「もしあなたが地上に戻ってみたいというのであれば、手筈が整えられると思います。ここの世界の担当者が、おそらくそのための準備をしてくれるでしょう。しかし言っておきますが、そのことはあなたを惨めな思いにさせるだけです。彼らはあなたのことに全く気がつきません。あなたが奥さんのいる家に戻ってドアを叩いても、あなたには気がつかないでしょう。昔の友人を訪ねて激しくドアを叩いても同じです」
幼くして死んだ姉との出会い
いよいよ地上に行くというとき、私をここまで連れてきてくれた友人(ビリー)が再びやってきました。ビリーは「あなたに見せたいものがあります」と言いました。私は彼について通りを下って行きました。小さなバルコニーと美しい花のあるとても素晴らしい家の前を通り過ぎ、やがて通りの終わりまできました。そこには大きな広場があって、中央の噴水は水しぶきを上げ、辺りにはリズミカルで心地よい音楽が流れていました。「これは本当に素晴らしい!」――私は昔、公園でバンドの奏でる音楽を聴いていたことを思い出しました。
私たちは美しい木の下の小さなベンチに座りました。ビリーは、「とてもくつろいだ気分になるでしょう。ただそこに座っていてください。しばらく私はここを離れますが、すぐ戻ってきます」と言いました。
私は目を閉じ、音楽を聴いていました。すると突然、誰かが私の隣にいるような気がしました。目を開けて見ると美しい女性がいました。輝くような金髪で、十九か二十歳ぐらいに見えました。私はびっくりしました。さらに驚いたことに、彼女は私の名前を呼んだのです。「これはおかしなことだ。彼女は私の名前を知っている。自分は彼女を知らないのに」と思いました。
「ここが気に入りましたか?」と彼女が尋ねたので
「とても気に入っています。ありがとう。お嬢さん」と答えました。すると彼女は、
「私をお嬢さんなどと呼ばないでください。私を知りませんか?」と言いました。
「ええ、私はあなたを知りませんが……」
「私はリリーですよ」
「リリーさん? どちらのリリーさんか存じませんが」
「驚かないでください。私はあなたの姉です。私は小さいときに死んだのです」
「そういえば、母から生後わずか数日で死んだ姉がいたということを聞いたことがあります。しかしあなたがどうしてその女の子なんですか? あなたは大人じゃないですか」
「そのとおりです。しかし私は本当にあなたの姉なのです。私は幼くして死にましたが、それからこちらの世界にきて成長したのです」
「驚きました!」と私は言いました。
「私は、ここであなたのお世話をすることになっています。あなたを家にご案内します」
「家ですって!」と私は言いました。
「はい、家です」
彼女は私を広場の外へ連れ出しました。そして木々の立ち並ぶ広い道を下って行きました。やがて田舎の小さな家に到着しました。そこが姉の家でした。姉の家は、イギリスの田舎で見たことがある家にとても似ていました。その家の庭には門や通路・扉があって、たくさんの美しい花が咲いていました。そこで彼女は立ち止まりました。それから家の中に入りました。廊下の向こうに小さな部屋があって、部屋の中のすべてのものは心地よく、安らぎを与えてくれました。素敵なイスもありました。しかし暖炉はありませんでした。
「ここには暖炉がありませんね」と言うと、
「ええ、ここでは暖炉は必要ないのです。いつも暖かく快適なのです」と彼女は答えました。
「それは素晴らしいですね。それでは雨も降らないんですね」
「ええ、降りません。でも時々、露が降りることがあります」
私たちはそこに座って、まだ地上にいる父や母のこと、兄弟のことを話しました。彼女は彼らに会うためによく地上を訪れたことや、私がまだ幼いときから私に会うために、たびたび地上に行っていたことを語ってくれました。彼女はまた、私が戦争に出かけている間、私のそばにずっと付き添っていたことも教えてくれました。
ただし私が死んだ直後は、私に付き添うことはできなかったようです。私がこちらの世界にやってきて、私に準備が整い、こうしてまた会えるようになったと教えてくれました。
「本当にここは素晴らしい所だ! でもまだよく分からない、不思議な所だ」と思いました。今、私はこちらの生活に落ち着き、姉と一緒に住んでいます。
「これ以上は、また別のときにお話しする方がいいようです。そろそろおいとまする時間がきました。行かなければなりません。さようなら……」
プリチェットと名乗る霊の声は徐々に小さくなり、やがて聞こえなくなった。
死んだ兵士の身元
その声はいったいどこからきたものなのであろうか? その声は本当に第一次世界大戦で死亡した兵士のものなのであろうか?――幸い戦争で死んで埋葬されたすべてのイギリス兵士の記録が残されている。それはバークシャイアーのマイデンヘッドにある戦死兵慰霊委員会によって保存されている。
「プリチェット」という名前は珍しい名前である。戦死者名簿のファイルの中には四名のプリチェットの名前がある。その内の一人の兵士番号は九〇二三Aで、彼は機関銃部隊に所属していて一九一七年に戦死している。そしてイェプレスから一マイルの所にあるポティジェ・チャテウ・ローンの共同墓地に埋葬されていた。
この兵士が、あの世の体験を語った声の持ち主なのであろうか? 彼の身元証明には、さらにもう一つの手がかりがある。彼の古くからの友人で、あの世で彼の指導霊であった人物の名前である。プリチェットはその名前を「ビリー・スマート」と言っている。プリチェットによれば、ビリーは彼より数カ月前に戦死している。スマートという名前はイギリス陸軍の中ではありふれた名前で、何百というスマートが第一次世界大戦で戦死している。そしてその中には、何十人という「ウィリアム」というクリスチャンネームを持った兵士が含まれている。その中で一人――たった一人だけがプリチェットによって語られた兵士と一致するのである。
兵士番号二〇三九四のビリー・ウィリアム・スマートが、その人物である。彼もまた機関銃部隊に属していた。そして一九一六年、アラスの近くで戦死しているのである。
プリチェットの話は、ワーシングにいるジョージ・ウッズとベッティー・グリーン女史、そして直接談話霊媒のレスリー・フリントによって録音された、五百に及ぶテープの中の一つである。「私たちが死んだとき何が起きるのか」を語っている、五百本ものテープの中の一つなのである。