5章 アポーツの原理

……突発的な場合と実験的な場合

特定の霊媒を用意し、レギュラーメンバーの出席のもとに行う心霊実験会で発生する現象とは別に、霊的なことに何の知識も関心もない人の身辺で突如として発生する現象がある。これを突発的心霊現象と呼ぶ。

中でも頻繁に起こり、しかも最も単純なのがラップである。が、これは風とか動物の仕業である場合もあるので、注意が肝要である。耳の錯覚かも知れないと思った時に、その原因を確認するいちばん間違いない方法は、こちらから合図を出すことである。それに応じたラップがしたら、そこに目に見えない知的存在が働いていると見てよいであろう。

すでに述べたように、物理的心霊現象の目的は常識を超えた現象を見せることによって注意を喚起し、人間とは別個の、目に見えない知的存在すなわち霊が実在することを教えることにある。

同時に、そうした現象の発生に直接携わるのは高級霊ではなく、高級霊が低級霊を雇ってやらせているということも述べた。が、そうした現象の役割が終わったあとに、これから解説するような本格的な目的が用意されていて、現象はあくまでもその目的のための準備的手段であり、その役割が終われば現象は生じなくなる。我々の体験から単純な例を挙げてみよう。

私が仲間たちとスピリチュアリズムを研究し始めて間もない頃のことだったが、論文にまとめるために一緒に会合して相談し合うことがよくあった。そんなある日、いきなり我々の周囲でノックをするような叩音がし始めて、実に四時間にもわたって鳴り続けて、やっと終わった。

初めての体験だったが、どう考えても普通の原因によるものではない。と言って、なぜ空中でそんな音がするのかは、その頃の我々にはまだ分からなかったので、翌朝、当時評判のよかった霊能者を訪ねて、昨日の叩音の話をして、その音を出した霊と交信してほしいと依頼した。

するとその霊能者が、

「それはあなたと親しかった霊で、あなたと交信したがっておられますよ」と言う。

「何を伝えたいのでしょうね?」と私が尋ねると、

「あなたからお聞きになってみてはいかがですか。ここに来てますよ」と言う。

そこで私が紙面に質問事項を書くと、その霊能者がトランス状態に入って、自動書記でその霊からのメッセージを綴った。

まず寓意的な名前を綴ってから、我々が書いている論文に重大な間違いがあると述べて、その箇所を指摘し、そこはこのように書き改めるようにと助言し、これからも疑問に思う点があったら、この度のように尋ねるように、と述べてあった。

そういうことがあってから、そのノックするような音は一切聞かれなくなった。なぜか――所期の目的、すなわち我々を驚かせて霊能者のところへ出向かせ、そこで自分の存在を知らせ、その後の定期的な交信関係へと導く目標が達成されたからである。

その後の通信では同じ霊団に属する他の複数の霊からも通信が来るようになり、最初に自動書記通信を送ってきた霊が非常に高い界層の霊で、地上時代も重要な地位にあったことが明かされた。

我々の場合は使命をもった高級霊団の管理下であったから迷惑も危険もなかったが、突発的現象の中には地上時代の恨みつらみを晴らすための場合や、人間を驚かせてうれしがる幼稚な悪ふざけの場合もある。

そうした点について再び聖ルイに尋ねてみた。


――リュ・ダ・ノイヤルで起きたという例の怪現象は、あれは本当にあったことでしょうか。

「実際に起きたことです。想像たくましい人たちによって尾ヒレが付いてはいるが、ある霊が住人の迷惑も考えず面白がってやったことです。」

――あのような現象の場合、その家族の中に誰か原因となっている者がいるのでしょうか。

「あの種の現象には必ず攻撃の的になっている人物がいるものです。その人物に対して邪心を抱く霊によって起こされている。目的はその人物を悩ませ、その家にいたたまれなくすることです。」

――その場合、現象を生じさせるための霊媒的体質をした人物がいるのでしょうか。

「そういう人物がいなければ、あのような現象は起きなかったであろう。仮に邪心を持った霊がいても、霊媒的体質を持つ者がいないかぎりは大人しくしています。が、そういう体質の人間が現れると、やおら行動に移ります。」

――現場にそういう人間がいるということが絶対的条件でしょうか。

「通常はそうです。リュ・ダ・ノイヤルの場合はそうでした。今も述べたように、そういう人間がいなかったらあのような現象は起きなかったであろう。ただ、あの現象に限って述べているのであって、霊媒的体質の人間の存在が必要でないケースもあります。」

――そういう現象を起こす霊が霊性の低い霊であるとなると、そのための材料を提供する者も霊性の低い人間で、騒ぎを起こす霊たちとの間に親和性があるということを意味するのでしょうか。

「それは違う、必ずしもそうではない。あくまでも体質上の問題だからです。ただ言えることは、そういう邪霊に使われるようではいけないということです。霊性が高まるほど、引き寄せる霊も高級となる。そうなれば当然、邪霊は近づけないのが道理です。」

――そうした物理現象を起こすには、霊媒的素質の人間から出るエネルギーのほかに、物的素材が必要とのことですが、それはどこから摂取するのでしょうか。

「大体において現象が発生している場所、あるいはその近辺の物体から摂取されます。霊が放射するエネルギーの作用でその素材が流動エネルギーとなって抜き取られ、空中へ放射されたものを一箇所に集めて使用します。」(J・G・E・ライト著『エクトプラズム』によると、物質化現象に使用する流動体の組成および感触は、その部屋にある織物――カーテン・ジュータン等――に似る傾向があり、極端な場合はその織物の修繕箇所がそのまま現れることがあるという――訳注

――その種の突発的現象が疑い深い人間を納得させる意図をもって仕組まれることがあるそうですが、それなら当の本人が真っ先にその証拠の前に降参してもよさそうなものです。ところが当人は因果関係が明確でないといって信用しようとしません。霊界側には否定しようのない決定的な証拠は出せないものでしょうか。

「この森羅万象には無限なる大霊の存在と思念の威力を暗示するものが溢れており、人間はそれを刻一刻と目撃しているにもかかわらず、無神論者や唯物論者がいるのはなぜであろうか。イエスが見せた奇跡によってその時代の者すべてが改心したであろうか。造化の驚異を見て人間を超える無限なる知的存在を直観しないような者は、いかに説得力のある現象を見せたところで霊の実在を信じるようにはなりません。

誠実さと真摯さとをもって真理を求める者には、大霊は必ずやその機会をお与えくださいます。人間が少々疑ったからとて大霊の計画の推進には何の支障にもなりません。スピリチュアリズムの発展にとっても何の障害にもなりません。

敵対する勢力の存在には取り合わないことです。絵画に陰影があるように、それが真理をより一層鮮明に引き立たせてくれるのです。」

――リュ・ダ・ノイヤル現象の張本人の霊を呼び出してもよろしいでしょうか。何か参考になることが聞けるでしょうか。

「呼び出したければ呼び出すがよい。ただし地縛霊であるから大して参考になる話は聞き出せないであろうが……


以下はその霊との一問一答――

「なぜオレを呼び出した? お前も石を投げつけられたいのか。そうやって平気な顔をしているが、一目散に逃げ出すぞ。」

「石を投げられても別には怖くはありませんよ。第一、石を投げることがここでできますかね?」

「ここではできそうにないな。お前にはガーディアンが付いている。そいつが厳重に見張ってるもんな。」

「リュ・ダ・ノイヤルには、あなたのイタズラに協力した誰かがいたのですか。」

「いたとも! オレにとっては大事な道具でな。それに、ここみたいに賢人ぶった道徳の先生みたいなヤツ(聖ルイ)が邪魔することもないしな。オレだって時にはハデに楽しみたくなるんだよ。」

「大事な道具というのは誰のことですか。」

「メードの一人さ。」

「そのメードはそうとは気づかずに協力したわけですか。」

「そうさ、気の毒だけどな。そのメードが一番怖がってたな。」

「何か恨みでもあったのですか。」

「このオレに? オレに恨みなんかあるもんか。お前たちこそ何もかも調べ上げて、それを都合のいいように利用してるじゃないか。」

「どういう意味でしょうかね。おっしゃってることがよく分かりませんが……

「オレはただ面白くてやっただけさ。それをお前たちスピリチュアリストが余計なせっかいをして、オレたちのような霊がいることを暴くことをしているということさ。これでまた証拠が一つ増えたわけだ。」

「恨みなんかないとおっしゃいましたが、アパートの窓という窓をぜんぶ壊したじゃないですか。あなたがやったことですよ。」

「あんなの大したことじゃないよ。」

「家の中に放り込んだものはどこから持ってきたのですか。」

「特別のものじゃないよ。あの家の庭にあったものもあるし近所の庭から持ってきたものもある。」

「そこにあったものばかりですか。あなたがこしらえたものもありましたか。」

「オレは何もこしらえていない。合成したものは何もない。」

「もしあのような物体が庭になかったら、こしらえることができたでしょうか。」

「その方が難しかったろうね。が、作ろうと思えばつくれるよ。」

「では、あのような物体を“投げる”というのは、どうやってやるのでしょうか。」

「ああ、そのことか! それはちょいと説明が難しいね。あのメードの電気性のエネルギーをオレのエネルギーにつなぐのさ。オレのエネルギーでは濃度が薄いからだよ。すると物体が動かせるんだ」(この答えは聖ルイが指示したことを後で認めている。本人はよく分かっていない――編者注

「あなた自身のことを少しお聞きしてもいいですか。まず最初にお聞きしたいのは、亡くなられてどのくらいになりますか」

「もう長いよ。まるまる五十年だ。」

「地上では何をなさっていましたか。」

「あまり自慢できることはしてないな。汚いことばかりやってた。あの辺りで屑拾いをしたり酔っぱらって歩き回ったりして、ずいぶん嫌われて、いじめられもした。だから仕返しにああやって家から追い出してやるんだ。」

「こちらからの質問に対する答えは全てあなた自身が考えたことですか。」

「指示を出す人がいたよ。」

「それは誰ですか。」

「フランスの王様だったルイだよ。」

「今あなたは何をなさってるのですか。これから先のことを考えたことがありますか。」

「ないね。オレは流れ者さ。地上の人間はオレのことなんか構ってくれないし、祈ってもくれない。放ったらかしだからオレも何もする気がしないよ。」(このあとの問答で“祈り”や“話を聞いてやる”ということがいかに大切かが分かる――編者注

「地上時代の名前は?。」

「ジャネット。」

「ではジャネットさん、私たちがあなたのために祈ってあげましょう。こうして呼び出したことがあなたにとって迷惑だったでしょうか、それとも嬉しかったですか。」

「ま、嬉しいね。あなた方は心優しい、いい方ばかりだ。ちょっぴり真面目すぎるけどね。でも、話を聞いてくれて、それが私にはとても嬉しい。」


以上は俗にポルターガイスト(騒々しい霊)と呼ばれている現象の張本人である霊を呼び出して、その意図やアポーツのメカニズムについて尋ねたものである。

これと同じ現象が我々の実験会でも突如発生して驚いたことがある。我々の場合は窓を突き破って投げ込まれたのではなく、いつの間にかその実験室に持ち込まれていた。

これにはアポーツの専門の技術者がいて、我々の質問に答えてくれたものを次に紹介するが、さきのジャネットが何のメカニズムも知らずにやっていたのとは違って、技術者らしい説明をしている。

ところが、霊格が一段と高い霊から見るとやはり勘違いしているところがあるらしく、それをエラステスという、かつて聖パウロの弟子だったという霊が補足的に解説を加えている。


――あなた方が物品を持ち込む時は、霊媒がきまってトランス状態にあるのはなぜですか。

「それは霊媒の体質のせいです。この霊媒の場合はトランス状態で持ち込む同じ物体を、別の霊媒の場合は普通の覚醒状態で持ち込むことができます。」

――アポーツが起きる時はひどく待たされるのはなぜですか。また約束の品物を持ち込む際に霊媒の物欲をあおるようなことを言うのはなぜですか。

「時間が掛かるのは、アポーツに必要な流動エネルギーを何種類か用意しなくてはならないからです。また霊媒の物欲を煽るのは出席者を喜ばせてあげるためです。」

エラステス付記――この霊はこれ以上のことは分かっていない。霊媒の物欲を煽るのは、本人は出席者を喜ばせるためと言っているが、実際はそれが流動エネルギーの放散を促進するからである。本人は本能的にやっていて、その効果には気づいていない。アポーツは多量のエネルギーを必要とするので、自然にそういうことが必要となる。突発的よりも実験会の方がその必要性が大きく、とくに霊媒によって違ってくる。

――アポーツの発生には霊媒の特殊な体質が不可欠なのでしょうか。例えばこの霊媒よりも速やかに、そして容易に発生させる霊媒が他にいるのでしょうか。

「あの現象には霊媒体質の人間が大きく係わっています。いくつかの特質が必要で、しかもそれらが調和が取れていないといけません。現象の発生を速やかにするということに関しては、同じ霊媒を何度も使って一つのパターンをこしらえるということが必要です。」

――出席者による影響のことですが、それが現象の発生を促進したり阻害したりするものでしょうか。

「猜疑心や反抗心を抱いている者がいると阻害されることがよくあります。なるべくなら信じている人やスピリチュアリズムをよく理解している人の方が好ましいです。と言っても、地上の人間の悪意で我々の仕事が完全に阻害されることはありません。」

――今回持ち込んだ花や砂糖菓子はどこから取ってきたのでしょうか。

「花はどこかの庭から取ってきます。気に入ったのを選びます。」

――砂糖菓子の方は? 売店から取ってきたら店の人は減っていることに気づくでしょう?

「ま、適当なところから頂載します。店の人は気づきません。代わりのものを置いておきますから……

――でも、あの指輪、いくつかありますが、みな高価なものばかりです。どこから持ってきたのですか。持ち主に悪いではないですか。

「誰も知らない所から頂載しますから、私が取ったことで被害をこうむる人はいません。」

エラステス付記――この霊は知識不足のために十分な説明になっていない。物品を頂載することで問題を引き起こしたことは有り得ることで、この霊は“盗み”の咎めを指摘されたくないからあのような言い逃れを述べているだけである。代わりのものを置く以上は形も価値もまったく同じものでなくてはいけない。もしまったく同じものをこしらえて置き代えられるのなら、無理に頂載しなくてもよいわけで、こしらえたものを持ち込めばよいことになる。

――別の天体からでも花を持ってこれますか。

「それはできない。私にはできません。」

編者注――ここでエラステスに「他の霊にはできる者がいますか」と尋ねると大気の条件が違うので不可能であるとのことだった。

――別の半球、例えば熱帯地方からだったら持ってこれますか。

「それはできます。地球上であればどこからでも持ってこれます。」

――今回持ち込んだものを逆に元のところへ持ち帰れますか。

「持ち込んだのと同じように簡単に持ち帰ることができます。どこへでも持って行けます。」

――その操作に苦心する事がありますか。そのために疲労を覚えるとか……

「許されてやっている時は何ら苦心することはありません。許しを得ずに勝手にやったら、とても疲労を覚えるでしょう。」

エラステス付記――本当は苦心しているのだが、それを認めないだけである。本質的には物質に近いものを操作するのだから大変である。

――難しい点といえばどんなことですか。

「難しいことといえば流動エネルギーが扱いにくい場合です。思うようになりません。」

――物体を運ぶ時はどのようにするのでしょうか。手で持つのですか。

「いえ、我々の身体にくるんでしまいます。」

エラステス付記――説明が十分でない。身体にくるむわけではない。自分から出す流動エネルギーに膨張性と浸透性があり、その一部を霊媒から抜き取った活性化された流動エネルギーの一部と合成して、その中に物体を包み込んで運ぶのである。従って自分自身の中にくるむという表現は正確でない。

――相当に重い物体でもラクラクと運べるのでしょうか――例えば四キロとか五キロのものでも……

「我々にとって重量は関係ありません。花を持ち込むのは、重々しいものより見た目に気持ちがいいからです。」

エラステス付記――これは彼の言う通りである。十キロのものでも何十キロのものでも同じである。これはあなたたち人間の感覚にとっての重量であって、霊にとっては無重量に等しい。ただ、ここでも彼の説明の仕方に問題がある。合成された流動エネルギーの総量と移動させる物体との間に釣り合いが取れていないといけない。つまり使用するエネルギーが、克服すべき抵抗力と釣り合っていなければならない。このことから推理できるように、花のような軽いものを持ち込むのは、得てして霊媒ないし霊自身にそれ以上の重量のものに必要なエネルギーが見出せない場合である。

――確かここに置いておいたはずのものが失くなっていることがあるのは、霊の仕業である場合も有り得るわけですか。

「よくあることです。あなたたちの想像以上によく起きています。頼めば持ち帰ってくれるかも知れません。」

エラステス付記――その通りであるが、持ち帰る時は持ち出した時と同じ条件を必要とするので、よほど特殊な能力をそなえた霊媒がいないと不可能である。それゆえ何かが行方不明になった時は、霊の仕業であるよりも自分の不注意であると考えた方がよい。

――我々が自然現象と思っているものの中には実際は霊の仕業であるものもあるのでしょうか。

「人間の日常生活はその種の出来事だらけと言ってよいほどです。そのように思えないのは、真剣に考えないからです。じっくり考察すれば本質に気づくはずです。」

エラステス付記――人間の仕業まで霊の仕業にしてしまってはならないが、霊的な影響力が絶え間なく地上に注がれていて、人間の行為、時には生死に係わることまで経綸するための環境づくりや出来事の発生まで関係していることは知っておくべきであろう。

――持ち込まれた物品の中には霊がこしらえたものもあるのではありませんか。

「私の場合はありません。私にはそういうことは許されていません。高級霊のみに許されていることです。」

――先日の実験では幾つかの物品が持ち込まれましたが、実験室は完全に密閉されていたのに、どうやって持ち込んだのですか。

「私と一体となって、つまり私の身体に包み込んで持ち込みました。その辺のメカニズムは要するに“説明不可能”と申し上げるしかありません」

――一瞬見えなくなって次の瞬間に見えるようになったわけですが、どのようにするのですか。

「物体をくるんでいる物質を取り除いたのです。」

エラステス付記――厳密に言うと、くるんでいるのは物質ではなく、霊媒のダブルの一部と担当の霊のダブルの一部とで合成した流動体である。

訳注――このアポーツ、日本語で「物品引寄現象」と呼んでいる現象は、訳者にとっても年来の興味あるテーマである。エラステスも、どうやって壁を貫通させるのかと改めて問われて「とても複雑な問題だ」と答え、「貫通させるということは破壊させることになるので、それはできない」と述べている。

しかし、その答えの部分を英語に訳したブラックウェルも注を設けて、「まだ解明されていないが、多くの実験結果からみると、霊は我々に理解できない方法で物体を貫通させることができるようである」と述べている。どうやら“貫通”という用語の捉え方に食い違いがあるように思える。『ジャック・ウェバーの霊現象』の中でも、いったん高振動の状態に分解して持ち込み、そこで再物質化すると述べている。が、それ以上のことは人間に教えても理解できないとも言っている。

『これが心霊の世界だ』の中にはキャサリン・バーケルという霊媒の支配霊ホワイト・ホークの説明がある。それによると、物品が分解するまで原子の振動速度を高めていき、分解した状態で運び込んでそれを再物質化するという。

このテーマを考える時にいつも頭に浮かぶのはテレビジョンである。これもいったん映像を分解して電波で運んで受像機の中で再生する。次元を異にする霊界では“人間に教えても理解できない”複雑な操作があるようであるが、基本的には“分解と再生”の原理に基づくと考えてよいように思う。

いずれにしても、霊界へ行けば何でも分かるというものではないらしい。いい加減な霊媒のお告げを信じるのが危険であることがよく分かる。

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