〈補足――“チャネリング”について〉
二十世紀の後半、アメリカ西海岸を中心としてチャネリングブームが起こりました。そして米国のニューエイジ(新しい精神覚醒の動き)の旗手的存在として、ニューエイジ・ムーブメントを発展させることになりました。“チャネリング”とは、これまで述べてきた霊界通信・霊媒現象のことに他なりません。女優のシャーリー・マクレーンが、彼女の自叙伝の中でチャネリングを紹介したことがきっかけとなり、チャネリングブームが巻き起こりました。
ニューエイジやチャネリングといった精神世界を指向する新しい動きが、二十世紀の後半にアメリカを中心に起こった背景には、霊界側からの組織的で計画的な働きかけがありました。それは霊界の高級霊が総結集して地球人類救済のために進めている“スピリチュアリズム”の流れの中で生まれたものです。アメリカでのニューエイジやチャネリングブームの発生は、スピリチュアリズム運動の“大衆化”という役目を持って引き起こされたものだったのです。二十~二十一世紀における唯一の超大国アメリカでヒットしたものは、その後、時をおいて必ず世界に普及すると言われています。その意味で今後、アメリカのニューエイジと同様の精神世界を指向する動きが、世界レベルで展開していくことが予想されます。
ただし現時点でのチャネリング(霊界通信・霊媒現象)の現状を見るかぎり、霊媒(チャネラー)のあまりの低俗さと、それを取り巻く人々のあまりの無知さだけが際立っていて、目を覆いたくなるほどです。チャネリングのすべてが悪いのではなく、なかにはスピリチュアリズム的に見て評価できる良質なもの(ラザリス、セスなど)もありますが、大半のチャネリングが“低級霊”に
ニューエイジにおけるチャネリングは、本物とニセモノ、優れたものと低俗なものとの区別がつけられない中で流行の波に乗ってしまいました。スピリチュアリズムの霊界通信が、科学者サイドからの徹底した厳格なチェックを経てきているのに比べ、チャネリングには、いまだにそうしたところがありません。しかし現在のチャネリングブームに対して、今後は科学者サイドからの厳しいチェックのメスが入れられるようになっていくはずです。その結果、程度の悪いものは淘汰され、スピリチュアリズムから見て価値のある本物だけが後世に遺されていくことになるでしょう。
ニューエイジに関係する者たちは、スピリチュアリズムは時代遅れであるというような言い方をすることがありますが、それは誤りです。そもそも現在展開しているこうした世界規模での霊的動きは、すべて霊界の高級霊によって計画的に起こされたものです。それを考えれば、「スピリチュアリズムもニューエイジも本質的には同じもの」と言えるのです。スピリチュアリズムはニューエイジに比べて時代遅れで古いというような見解は、「霊的事実」を知らないところから出た無知な発言にすぎません。それはスピリチュアリズムもニューエイジも、ともに正しく理解していないところからの軽率な発言です。言葉の表面上のムードや言い回しに翻弄されず、内容の本質を厳密に把握し、両者を比較してみれば、スピリチュアリズムがニューエイジに劣っているというような言い分は、どこからも出てきません。
チャネリングに関してみるならば、通信内容の質・スケール・正確さ、どの点をとってみても、シルバーバーチに代表されるような優れた霊界通信はこれまで現れていません。
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