第2章 スピリチュアリズムの出発点
……“フォックス家事件”
スピリチュアリズムならびに近代心霊研究は、一八四八年のフォックス家事件(*ハイズビル事件とも言います)から始まります。その歴史的事件の成り行きは次のようです。
※――その後のスピリチュアリズムの発展によって、フォックス家事件のメカニズムが明らかにされています。それを簡単に説明すると次のようになります。
まず霊界側に、他界後あまり時間の経っていない霊がいます。この霊は、いまだ地上的波動を多く残しているため地上の物質と感応しやすくなっています。一方、地上世界側には「霊媒体質者」がいます。その霊媒体質者の身体からは、地上と霊界の中間物質(エクトプラズム)が放出されています。霊界にいる霊がこの中間物質に霊的エネルギーを用いて細工を施し、地上に働きかける手段をつくり出します。その結果、地上の人間に音(ラップ)が送られるようになるのです。