(4)苦しみへの正しい対処

霊的成長にとって必要な苦しみの体験

苦しみは、私たちの霊的成長にとって不可欠な要素であり、その多くが「悪いカルマ(摂理に反した行為)の償い」として発生します。苦しみに正しく対処することによってカルマが清算されますが、それだけでなく魂が鍛えられ、霊的視野が広がり、人生に対する洞察力が深まります。こうして霊的成長が促されることになるのです。

問題は、私たちが苦しみに直面したときに正しく対応することができるかどうか、ということです。

霊的真理を実際に活用する

苦しみに直面すると、いつの間にか霊的視野を失い、自分なりの狭い世界の中に埋没してしまいます。こうした弱さは誰もが持っていますが、そこでもう一度「霊的真理」に照らして自分の視野を広げることが必要となります。苦しみの意義を確認し、心の持ち方を真理にそわせることが大切です。その努力しだいで、苦しみの体験を霊的成長にとって有益なものにできるかどうかが決定されます。真理を活用できる者とできない者との差が、そこで生じるのです。

苦しみに遭遇したときに、自分なりの判断をし、感情のおもむくままに流されてしまうとするなら、せっかく霊的真理を手にしたことの意味がなくなってしまいます。霊的真理は実際に用いるために与えられたものであり、真理を知っても活用しないなら、何の価値もないことになってしまいます。自らを、ひたすら真理に従わせる謙虚な姿勢が求められるのです。

苦しみに遭遇したときの霊的真理の確認内容

苦しみの中に立たされたときには、次のような霊的真理を思い起こし、強く自分に言い聞かせてください。苦しみにとらわれそうになったらその度ごとに、一日に何度でもこの内容を読み返して霊的視野を取り戻し、自分の心を広く明るくしてください。

  • 地上人生において苦しみのない人はいない。自分だけが苦しいのではない。何の問題もないように見える人、幸せそうに見える人も皆、悩みを持っている。苦しみは人間の霊的成長に必要なものであり、実は良いものである。
  • 地上での苦しみは、ほんのわずかな期間にすぎない。この苦しみを我慢すれば、霊界では何十倍もの喜びがもたらされるようになる。
  • 今こそ裸になろう。見栄みえを捨て新しく生き直そう。人の目や評価などは、どうでもいいことである。またこの世の物質的な富や幸せは取るに足りないものであり、死とともに消滅してしまうものである。霊界に持っていけるのは魂の清さだけである。
  • 守護霊が常に自分とともにいて、最善の導きをしてくれる。本当の幸せに至れるように心を砕き、愛し続けていてくれる。決して独りぼっちではない。だから守護霊を信頼して歩めば、最高の道が開かれる。

苦しみに動じない心の確立

地上にいる間は、なかなか苦しみの意義を理解できず、ただ辛いこと・イヤなことのように思ってしまいます。しかし霊界へ行ってみると、苦しみのない地上生活には何の価値もないことが実感できるようになります。霊的真理を知った私たちは、苦しみを正面きって受け止め、これを霊的成長の糧としていかなければなりません。

そのためには、今あげたような「霊的視野」に立った心の持ち方を確立することが必要となります。地上の苦しみを霊的視野から眺めて小さなものに位置づけするなら、いかなる苦難に遭遇しても平常心を保つことができるようになります。堂々と困難に立ち向かうことができるようになります。霊的視野は最高のポジティブ・シンキングであり、“霊的楽天性”を持って人生を送るための秘訣ひけつなのです。

シルバーバーチは次のように述べています。

「要するに理解が行き届かないから苦しい思いをするのです。十分な理解がいけば苦しい思いをしなくなります。また、すべきではありません。」

「それによって苦しい思いをするか否かは、あなたの進化の程度の問題です。」

「苦しみを何とも思わない段階まで到達すると、いかなる環境にも影響されなくなりま す。」

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