(2)神は唯一の無形の存在者
……「大霊としての神」
唯一の神
地球上の宗教の中には、キリスト教・イスラム教などのように唯一の神を崇拝の対象とする“一神教”と、神道・ヒンズー教・古代ギリシャ宗教・古代エジプト宗教のように多くの神々を崇拝の対象とする“多神教”があります。結論を言えば、私たちが“神”として信仰・崇拝の対象とすべきは「唯一の神」のみです。多くの神々を崇拝することは間違いです。
多神教では、(後述する)天使や背後霊や他界した人霊を神に祭り上げ崇拝してきました。天使や妖精といった霊的存在の多くが、霊的レベル・霊的な純粋度において地上の人間よりもはるかに高いため、これらを無条件に
しかしスピリチュアリズムによって「霊的事実」が明らかにされた以上、これまでの多神教信仰を卒業して、本当の信仰・一神教信仰に進歩していかなければなりません。多神教において崇拝の対象としてきた天使や高級霊にとっては、自分たちが地上人から崇拝されるのはありがたいことではなく、むしろたいへん迷惑なことなのです。
天使も高級霊も指導霊も、霊界で「唯一の神(大霊)」を崇拝し、この神以外に崇拝の対象はないことを知っています。かつては地球人類の霊的未熟さに合わせて、霊的先輩としての立場から神の代理者を演じてきましたが、スピリチュアリズムが地上に展開を始めた後は「唯一の神(大霊)」だけを崇拝する“真実の信仰”を地上に普及させようとしているのです。
無形の神・霊界と宇宙を包み込む大霊
霊性が未熟であった時代の地上の宗教では、神を人間のような外見を持った存在として考えてきました。言うまでもなく神とは、そうした形態を持った存在ではありません。
私たち人間は、自分自身の内に心(意識)があることを実感しています。しかし、心そのものを取り出して見ることはできません。確かに存在しているのですが、形を持っていないために見ることができないのです。
これと同じく、神も無形の存在です。神は、霊界・宇宙のすべてに遍在している「無限大の広がりを持った大きな心」「無限大の意識体」と言えます。すなわち神は、霊界・宇宙を包み込む「大霊」ということになります。神は外形はありませんが、大霊として間違いなく存在しているのです。
性別を超越している神
太古の地球人は、神を人間と似通った存在と考えてきました。その際、神を男性のようにとらえることが一般的でした。そのため現在に至るまで、神は“男性格”として思い描かれ、男性として呼ばれてきました。しかし本当の神(大霊)は、地上人が考えてきたような性別を持った存在ではありません。神は、男性・女性の区別を超越した存在です。神は地上世界の性別を内蔵していますが、地上的区別を超越した存在者なのです。
物質世界に見られる男性・女性(陽・陰)のすべては、神から出たものです。それを人間の側から見るなら、「神はすべての陽・陰を含む中性体」ということになります。その意味で古代中国思想(陰陽思想)での
地上人が神に向かって祈りを捧げるとき、これまで「天の父」というような男性格の呼称を用いてきましたが、それもそろそろ卒業すべき時代に至っています。霊的事実に照らしたときには「大霊」や「天の親様」と呼びかけた方が、神の本質を正しく表現していることになります。それが、これからの正しい神の呼称と言えます。