(1)スピリチュアリズムは神への敬虔な信仰

霊界人は皆、敬虔な神信仰者

霊界では、神の存在を疑う者はいません。それは地上人の中で誰ひとり、空気の存在を疑う者がいないのと同じことです。霊界における神の認識は、頭で理解するとか無理に信じ込むといった次元を超えています。地上では熱心な信仰者であっても、何か困難な状況に遭遇すると神の存在や導きに疑いを抱くようになりますが、それはまだ本当には神を実感していないからです。

地上人はしばしば「私は神を信じる」という言葉を口にしますが、その実態は、神がいるということを自分に納得させる・思い込ませるといった程度のものです。残念ながら地上世界では、神を実感することは、ほとんど不可能と言わざるをえません。それは地上人が肉体という物質の衣服におおわれているため、霊的感性が鈍くなっているからです。

これに対し霊界人の神についての認識は、地上人とは根本的に異なっています。霊界では“信じる”という次元をはるかに超えて、ストレートに神を実感できるようになっています。日常生活の中で常にリアルな感覚をともなって、神を感じられるようになっているのです。そのため霊界では、神の実在は万人にとっての常識となっています。霊界には、地上世界のような無神論者は一人もいません。この点で、霊界と地上界は大きく違っています。

インペレーター霊は『霊訓』の中で、次のように霊界人の神に対する実感と、神への信仰心を述べています。

「神への信頼があまりに実感あふれるものであるがゆえに、敢えて思案をめぐらす必要を感じないのである。我らは神のために生き、神に向かって生きていく。神の意志を知り、それを実践しようとする。そうすることが、自分のみならず、すべての創造物に対し、なにがしかの貢献をすることになると信じるからである。またそうすることが、神に対する人間としての当然の敬意を表明するゆえんであり、神が嘉納かのうされる唯一の献上物なのである。我らは神を敬愛する。神を崇拝する。神を敬慕する。神に絶対的に従う。」

スピリチュアリズムの神観

スピリチュアリズムの神観とは、霊界通信によって明らかにされた霊界人に共通する「神認識」と「神信仰」に他なりません。霊界人の誰もが共通に持っている神についての知識と神への崇拝の念が、スピリチュアリズムの神観であり、スピリチュアリズムの目指す信仰なのです。スピリチュアリズムは、霊界人を手本として、神への本当の信仰を地上にもたらそうとする霊的啓蒙運動です。

高級霊の霊界通信によって明らかにされた正しい神観の具体的内容は――「神は唯一の無形の存在者(大霊としての神)」「神は霊界・宇宙の創造者(創造主としての神)」「神は人間にとって霊的な親であり、愛の存在者(愛の神)」「神は法則を通じて霊界・宇宙・万物を支配する存在者(法則の神)」ということになります。

以下では、それら一つひとつについて見ていきます。

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