(1)肉体と霊体の重複構造

「肉体」と「霊体」

世間一般には、人間は肉体と心から成り立っていると考えられています。しかし、それは一面的なとらえ方にすぎません。実は人間は、目に見える「肉体」と、その肉体に浸透するように「霊体」という別の身体が重なって構成されています。言い換えれば人間は、肉体と霊体という二つの身体の二重構造によって形成されている存在ということなのです。

この「霊体」は、肉体とほとんど同じ形をしています。普通の人の肉眼では霊体を見ることはできませんが、霊眼の開けた一部の霊能者には霊体は明確な形として認識されます。肉体と霊体は、古来から“チャクラ”と呼ばれてきた接点を通じてエネルギーの交換をしており、相互に影響を及ぼし合っています。

「肉体」と「霊体」

――人間は肉体と霊体という二つの身体から構成されています。しかし多くの霊界通信や神智学では、これ以外にも「幽体」という身体があるとしてきました。さらには霊体と幽体の他に、複数の霊的身体があるとする説もあります。

しかしそうした身体観は、霊的事実とは一致しません。「霊体」以外に「幽体」という別の霊的身体があるわけではありません。「幽体」とは、霊体の粗い状態のことを言うのであって、本来は幽体と霊体は別々の身体ではないのです。また心霊学や霊界通信では、しばしば「幽体を脱ぐ」という表現が用いられることがあります。これは霊体の状態の変化を比喩ひゆ的に述べたものであって、魂の成長にともない霊体が精妙化していくプロセスを示したものです。これが“幽体の死”と言われてきた現象の実相なのです。

霊体の永遠性

“死”とは、肉体と霊体が完全に分離してしまうことですこれについては次で詳しく述べます)。死によって肉体は滅び土に返りますが、霊体はそのまま存続します。つまり私たち人間は、死によって存在がなくなってしまうのではなく、霊体として永遠に霊界(死後の世界)で生き続けることになるのです。死によって失うものは、地上人生を送るための道具である肉体だけなのです。

霊体を覆っていた肉体という衣服を脱ぎ捨てることが、死に他なりません。それは「神の摂理」の中で展開する自然現象の一つなのです。肉体という物質の外皮を脱ぎ去って、人間にとっての本来の住処である霊界に帰ることが死なのです。この意味で“死”は、決して怖がったり悲しむことではありません。

霊体の永遠性

「肉体オーラ」と「霊体オーラ」

――人間の身体から放射される三種類のエネルギー

人間の肉体からは体熱などの「物質エネルギー」が放射されています。物質エネルギーは肉体の状態を反映し、体調の良し悪しは、このエネルギーの状態に表れます。こうした原理を応用して現在では、サーモグラフィーなどのさまざまな検査技術が開発されています。

一方、肉体と霊体の中間部分(接合部分)からは「幽質(半物質)エネルギー」が放射されています。これを「幽体質素」と言います。第一部で述べた“エクトプラズム”は、この幽体質素の一種と言えます。霊能者・霊媒とは、幽質エネルギーを多く放射している人のことです。肉体から放射される物質エネルギーと、幽質エネルギー(幽体質素)を総合して「肉体オーラ」「物質次元のオーラ」と言います。

肉体からエネルギーが放射されているのと同じく、霊体からも「霊的エネルギー」が放射されています。この霊体から放射されるエネルギーが、「霊体オーラ(霊光)」です。霊的エネルギーである霊体オーラは、人間の感情によって、絶えず色や状態が変化します。また霊体オーラには、その人間の霊性レベルや魂の状態や精神状態も反映されています。たとえば、心が崇高な愛の思いで満たされているようなときには金色、純粋な信仰心があるときには紫色、反対に怒りが心を占めているときには赤色、本能的感情に支配されているときには黒色といったように、いろいろな色に変わります。オーラは、まさにその人の心の状態を映し出す鏡と言えるのです。

オーラの色の変化は、霊眼(霊的視力)の開けた霊能者には、はっきりと見て取れます。仏像や聖人画などに描かれている後背光こうはいこうは、このオーラを表したものです。

幽体質素からつくられる霊体

幽体質素について大切な点は、この幽体質素から霊体がつくられる、ということです。幽体質素が昇華凝縮して、霊体が形成されるのです。霊体は、肉体の成長にともない徐々に大きくなっていきます。赤ちゃんから子供、そして大人へと肉体が成長するにつれて、霊体も成長していくことになります。つまり胎児には、胎児の肉体と同じ形をした霊体があり、子供には、子供と同じ形をした霊体があるということです。霊体は、肉体の成育が頂点に達した成人期(二十歳くらい)に最も大きくなります。

その後、老年期に入ると肉体は徐々に衰え小さくしぼんでいきますが、いったん成長した霊体は、肉体が小さくなっても全盛期の形態をずっと維持していくことになります。したがって老人の霊体は、若者のときと同じ形をしているのです。年老いるのは肉体であって、霊体が年老いるということはありません。

霊体の形成

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