(4)地上圏霊界から宇宙圏霊界へ

地上圏霊界と宇宙圏霊界

霊界での生活の目的は、霊的成長(魂の進歩)でした。その霊的成長に向けての歩みの一つとして、地上への再生が必要でした。これは地上体験を通して得られる成長内容を、すべて達成するまで再生は欠かせないということを意味しています。すなわち地上体験による「霊的成長」と「カルマ清算」が不可欠であるかぎり、再生は続くということなのです。

霊界は、再生を必要とする段階と、もはや再生を必要としない段階に大きく分かれます。これまで本書の中で見てきた霊界は、どこまでも再生を必要とする段階、すなわち地上との関わりを通して霊的成長をなしていく段階の霊界でした。これを「地上圏霊界(物質圏霊界)」と言います。地球出身の大部分の霊たちは、現在ここに所属しています。

それに対して、霊的成長が進んでもはや地上へ再生する必要のなくなった高い霊界を「宇宙圏霊界(脱地上圏霊界)」と言います。もちろんそこに住む霊は“超高級霊”ばかりで、現時点ではきわめて少数の者に限られます。イエスやシルバーバーチは、この世界にまで至った超高級霊です。宇宙圏霊界が、いかに素晴らしい世界であるのかは今さら言うまでもありませんが、その世界の具体的な様子は、言葉で表現できるレベルを完全に超えています。そのため高級霊の霊界通信でさえも、この世界についてはほとんど言及していません。

物質的な世界との関係を一切持たなくなった宇宙圏霊界では、霊はそれまでの霊界(地上圏霊界)において身にまとっていた霊的身体(霊体)さえも不要になると言います。身体的形態を取らない霊になるということです。もちろん霊的意識を持った「個別霊」であることは同じですが、霊体といった身体的表現を必要とせず、光源や色彩のような形で存在するようになるのです。その形態で、さらなる霊的進化の道をたどっていくことになります。

天使と同格になる

霊界には、人間の霊以外に、一度も物質世界での体験を持ったことのない霊的存在がいます。天使や妖精がこれにあたります。これらの霊的存在は、物質との関わりなくして誕生し、成長・進歩の歩みをなしていきます。天使や妖精は、神の王国の役人として摂理の執行に携わったり、神の創造の事業の実行者として働いたり、時には地上の人間を守護したり導くなどの役割につきます。

「地上圏霊界」を卒業して「宇宙圏霊界」に入るということは、霊格が天使と同じレベルに至ったことを意味します。このレベルにまで至った霊は、その後は天使と同様の進化のプロセスをたどることになります。

他の天体での霊界の様子

一方、地球以外の他の天体にも、地球と同じように物質世界を取り巻く霊的世界が広がっています。そしてそこに住む霊たちも地球と同様に、物質世界との関わりを持ちながら霊的成長の道を歩み、やがて再生が不要となるという進化のプロセスをたどっています。地球以外の天体にも、こうして進化向上の道を一歩ずつ歩んでいる霊たちがいるのです。

宇宙圏霊界に至った霊は、他の天体の霊たちとも自由に行き来し、交わることができるようになります。

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