新版発行にあたって

人類が手にした叡智の最高峰と言われ、スピリチュアリズムのバイブルと称される「シルバーバーチの霊訓」は、多くの日本人に深い感動と励ましを与え、人生の拠りどころ・心の支えとなってきました。「シルバーバーチの霊訓」によって魂が救われ、人生が一新したとの感謝の声をあげる人々が、日本の各地に現れています。

「シルバーバーチの霊訓」として英国で出版されてきたものは全部で二十冊以上にのぼりますが、そのすべてが日本語に翻訳され、自由に読むことができるようになっています。このように「シルバーバーチの霊訓」のすべてを母国語で読むことができるのは、英語圏諸国を除いては日本だけです。この事実から、日本人は霊的に非常に恵まれた立場にあり、今後、日本はスピリチュアリズム先進国として、世界のスピリチュアリズムをリードしていく大きな責任が与えられていることが分かります。

私たちスピリチュアリズム普及会では、A・W・オースティン編の本書(Teachings of Silver Birch)と、トニー・オーツセン編の三冊(The Spirit Speaks・The Seed of Truth・ A Voice in the Wilderness)の訳書近藤千雄氏訳)を自費出版しています。これらの四冊については、全国各地の方々からご注文をいただき、そのいずれもが版を重ねてきました。年々“シルバーバーチ”の知名度が高まり、日本人の中に本物のスピリチュアリズムが浸透しつつあることを実感しています。

「シルバーバーチの霊訓」として出版されている書籍の大半は、(トニー・オーツセン編のものを除いて)一人の編集者が複数の交霊会の記録から拾い出したものを集めて一冊の本にまとめ上げています。こうした形での作業には、編集者の個性や霊的真理についての理解度が大きく影響します。なかには無理をしてつなぎ合わせたために、内容的に一貫性を欠くようなものも見られます。複数の交霊会の記録からそれぞれのテーマにそったものを選び出しつなぎ合わせるという作業には、どうしても無理がともない、矛盾した箇所が発生することは避けられません。

オースティン編の本書も、本人が巻頭で述べているように、三十~四十回の交霊会の記録の中から相応しいと思うものを取り出して整理し、まとめ上げたものです。そのため幾分、今述べたような傾向があることは否めませんが、実際に読んでみると分かるように本書は、各章のテーマにそって適切に、しかも論理性を持ってまとめられています。これはひとえに、オースティンの優れた編集能力と真理に対する深い理解によるものと言えます。

本書の特徴としてはこうしたこと以外に、テーマが多岐にわたっており、それによってスピリチュアリズムの本質と全体像が理解しやすくなっている点が挙げられます。本書には、スピリチュアリズム運動の本質とスピリチュアリズムの思想を知るうえで欠かせない基本的な内容が網羅されています。霊界主導のスピリチュアリズム運動と、それを通してもたらされた霊的真理の核心部が、すべて取り上げられています。テーマが多岐にわたっているため、他の「シルバーバーチの霊訓」と比べ大部になっていますが、恰好の「スピリチュアリズムの入門書」「シルバーバーチの思想の概論」と言えます。

本書は、これまで『シルバーバーチは語る』のタイトルで自費出版してきたものの新版です。『シルバーバーチは語る』は、初版からすでに十数年が過ぎ、何回か版を重ねてきましたが、その間、全国各地の読書会でテキストとして活用されてきました。そしてこの度、旧版に手を加え、新版として発行することになりました。

本書は、内容的には旧版とほとんど同じですが、旧版では省略されていた部分を新たに盛り込み、より充実したものになっています。また新版では、全体の構成を見直し、原書にそって表現を大幅に修正したため、とても読みやすくなっています。シンプルで洗練された表現により、シルバーバーチの言葉(教え)を、いっそう的確に理解できるようになっています。さらに旧版では大部の内容を一冊にまとめ上げていましたが、新版では二冊に分けて上巻・下巻としています。

本書が、スピリチュアリズムを深く正しく理解したいと思う方々の教科書として、また生涯の座右の書として活用され、人生に迷ったときの指針となり、困難に遭遇したときの支えとなることを心から願っています。

平成二十七年十一月 スピリチュアリズム普及会

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