(3)動物の死後の様子と霊的進化

幽界でのペットとの再会

地上時代に人間から愛を受けた動物は、肉体の死後も、しばらくは幽質の形態を維持することになります。そしてその姿で、飼い主が幽界に入ってくるまで待ち続けます。他界した飼い主は、生前かわいがっていた動物の出迎えを受ける中で、自分が死んだことに気がつくようになります。このようにして地上で動物(ペット)を大切にしていた人は、死後、愛するペットとの再会を果たし、少しの間、ともに生活をするようになるのです。

もしペットのように人間の愛を受けることのなかった動物の場合は、死とともに生命素(一種の生命霊)は、動物の「集合魂」――“グループ・スピリット”と呼ばれる同種類の動物の生命素の集合体――の中に吸収されて個性を失うようになります。したがって動物との死後の再会は、飼い主の愛ひとつにかかっている、ということになります。死後も生前の形態を維持できるかどうかは、ひとえに人間の愛によって決められるのです。

こうして人間と動物は幽界で再会を果たすことになりますが、その関係はいつまでも続くわけではありません。人間が幽界の生活に慣れ、「霊的意識」に目覚めて霊的進歩の道を歩み始めるようになると、動物への愛も自然と薄らいでいきます。それにともない幽質の形態は分解して、生命素は集合魂の中に吸収されていきます。

動物の霊的進化

人間と違って動物には再生はありません。一度きりの物質界への誕生があるだけです。その一度の地上体験を「集合魂(グループ・スピリット)」に持ち帰ることで、集合魂全体が進化していくようになります。動物の霊的進化に決定的な影響を及ぼすのが、すでに述べてきたように“人間の愛情”です。人間から受けた愛情によって、動物は集合魂全体として進化していくことができるのです。

現在、動物の「集合魂(グループ・スピリット)」として一番進化しているのはイヌで、次はネコであると言われています。それはイヌが、動物の中で最も多く人間の愛を受けてきたためです。一般の進化論からすると、サルが動物の中で一番進化しているように思われますが、霊的進化ではイヌなのです。このように肉体次元の進化と霊的次元の進化は一致しません。こうしたイヌとサルの進化のケースは“愛”こそが霊の本質であり、愛によって「霊的進化が促される」という霊的真理を示しています。

進化に関して、もう一つ興味深い内容があります。人類全体の霊性レベルが高まると、それが動物界にも反映して動物の霊的進化が促され、動物特有の“弱肉強食性”が消滅していくということです。人間の霊的進化にともない、肉食動物の凶暴性も消滅していくようになるのです。

では、動物の集合魂がさらに進化したときにはどうなるのでしょうか?――これに対する答えは、スピリチュアリズムにおいても、いまだに最終的な結論は出ていません。霊界通信の間でも意見が分かれています。動物の「集合魂」が進化して人間の霊レベルに近づくと、その中から人間の個別霊が誕生するようになるとの見解があります。一方、動物の集合魂は“種”として固定されていて、どこまでも人間は人間、サルはサル、イヌはイヌであって動物から人間へという進化のプロセスはないという見解もあります。

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