(3)憑依現象について

最も危険な低級霊・邪悪霊の仕業

低級霊・邪悪霊の働きかけの中で、最も凶悪なものが「憑依現象」です。これは地上人の潜在意識を低級霊が支配し、狂人や二重人格者のようにしてしまう現象のことです。霊が地上人の意識を支配する場合、普通はお互いの納得と協力のもとで進められますが、憑依の場合はこれとは異なります。低級霊が地上人の許可がないのに力ずくでその人間の潜在意識を支配し、自分の操り人形にしてしまうのです。

大きなショックを受けたり、病気や出産などで身体が衰弱して心身のバランスが崩れているようなときには憑依が起こりやすくなります。憑依現象には本人の「カルマ」が関係していることが多く、憑依の苦しみによって過去の罪を償うような道を歩まされることになります。

とは言ってもいずれの憑依も、直接的な原因は本人の心の持ち方・考え方にあります。地上人の「利己的・本能的欲望」が憑依の引き金となるのです。どのようなカルマがあっても、心を正しく保つように努力する者には低級霊は近づけませんし、憑依現象も起こりません。

一人の人間が低級霊に憑依されて常軌を逸するようになると、周りの人々はその者(患者)に振り回され疲れ果ててしまうことになります。ひどい憑依状態が続くと、患者はまともな生活ができなくなります。何日も食事を摂らず、ほとんど寝ることもできなくなります。また夜中に家出をして放浪したり、辺りのモノを壊したり自殺を企てるなど手に負えなくなります。

憑依現象への現実的な対処法

そうした者を抱えた家族は、たいへんな苦しみを体験するようになりますが、実はそれが患者本人ばかりでなく家族にとっても必要な「カルマ清算の道」となっていることが多いのです。考え方によっては身内が憑依現象の被害者になることは、必ずしも悪いこととは言えません。その苦しみを通じて過去につくったカルマを償い、新しい進歩の道を歩み出せるようになるからです。

身近な人間が憑依状態になったときの現実的な対処法としては、まず患者を精神病院に強制的に入院させ隔離することです。現代医学では憑依現象を“統合失調症(精神分裂症)”とか“多重人格症”として扱います。そして薬によって疲弊した身体を休ませ、心身のバランスを取り戻させるようにします。大半の患者が、長期の不眠と断食状態に陥り心身が衰弱しているため、薬を用いて最低限の心身のバランスを回復させるようにすると、憑依状態は徐々に消滅していきます。

しかしいったん病状が良くなっても、それ以後、患者本人が心の持ち方を変える努力をしないかぎり、何度も憑依現象を繰り返すことになります。低級霊の働きかけを最終的に許すのは患者自身であり、本人がしっかりとした心がまえを保っているなら、低級霊の働きかけを跳ね返すことができるのです。「低級霊・邪悪霊」は地上人の心に直接ささやきかけ、利己的な思いや悪感情を誘発しようとします。しかし地上人がその誘惑を無視して利他的な思いを持ち続ける努力をするなら、最悪の事態は防ぐことができるようになるのです。

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