(3)健康を維持するための四つの実践項目

健康のための“四つの条件”

摂理にそった自然な生き方が、そのまま健康を維持するための条件となります。その条件は、病気になった際の根本的な治療法にもなります。健康の条件が欠けることによって病気が発生した以上、欠けたものを補えば健康を取り戻せるようになるのは当然の結論です。

健康を維持するための条件とは、具体的には次に示す四つの実践項目から成り立っています。この四つの内容が完全に実践されたとき、恒常性機能をつかさどる自律神経系・ホルモン系・気の流れが良好な状態におかれ、肉体の健康が維持されるようになります。また免疫系が健全に働いて病気は未然に防がれるようになり、たとえ病気になったとしても速やかに治癒するようになります。

  • 健全で安定した精神状態
  • 正しい食生活
  • 適度な運動
  • 十分な休養

以下では、これらについて説明していきます。

健全で安定した精神状態

四つの条件の中で、一番大きな影響力を持っているのが精神状態です。不安や心配・怒り・悲しみ・絶望といったマイナスの感情(ストレス)は、免疫力の働きを著しく低下させることになります。この意味では、もともと性格が明るく楽天的でのんびりした人間はとくと言えるかもしれません。

しかしそうした楽天的な人間も、人生を根本から揺り動かすような重大な試練に遭遇すると、悩みや不安を覚えるようになります。難しい人間関係や愛する人との死別や自己の病気・怪我けがなどに直面すると、生来の明るさだけではやっていけなくなるのです。心の一番深い領域(霊的次元)に立脚した安心感と楽天性を確立していないかぎり、物質世界の嵐に不動の姿勢をとり続けることはできません。

地上ならではの苦難を乗り越えて人生を前向きに歩み通すためには、「霊的真理」が不可欠です。真理によって「霊的視野」を持つことが、どうしても必要となります。直面する困難や障害を霊的視野から眺め下ろし、それらを小さなものと位置づけしたときに、心を平静に保つことができるようになるのです。霊的真理ほど心を広く深くし、安定させてくれるものはありません。霊的真理ほど心を強くし、楽天的にしてくれるものはありません。

霊的真理による人生観を確立したうえで他の方法(呼吸法・瞑想法・心理療法など)を併せて用いるなら、効果的に心の安定をはかることができるようになります。正しい食事と適度な運動を心がけ、十分な休養をとることも心(精神)の健全化のために欠かすことはできません。

――精神(心)と免疫の関係は、現代医学の最前線のテーマです。“心身相関医学”の中の「精神・神経免疫学」という新しい医学の分野は、精神(心)が免疫機能に及ぼす影響力のメカニズムを、かなりの部分まで明らかにしています。

正しい食生活

肉主霊従に陥って霊性をにぶらせている現代人の多くが、肉体本能のおもむくままに日常生活を送っています。そうした生き方は必然的に肉体の質そのものを低下させることになります。その結果、先進諸国の大半の人々が、肉体にとって良い食べものが何なのか、分からなくなっています。物質文明の進歩と同時に“悪食と飽食”に拍車がかかり、半病人状態が当たり前になっているのです。

人間は経済的に豊かになると、かつて一部の富裕者のみに許されていた贅沢ぜいたくな食べ物、高価で美味しい食べ物を先を競って求めるようになります。これまで「欧米食」に代表される“肉中心”の食べ物は、栄養価が高く健康に良いと思われてきました。しかし最近の栄養学は、そうした食べ物よりも、むしろ従来からの「素食そしょく(伝統食)」の方が栄養的に優れていることを明らかにしています。現代人は大量の肉や油を使った食事を摂ることで、さまざまな病気を発生させて寿命を縮めるようになっているのです。

最新の科学の一分野である現代栄養学は、人間の健康に関する多くの栄養学的知見をもたらしました。ビタミン・ミネラルといった微量栄養素の研究、食物繊維の研究、油の研究、免疫強化物質の研究など、めざましいスピードで進歩を遂げています。人体の健康についての研究は、今日では分子レベル(細胞レベル)にまで掘り下げられ、栄養素の働きが分子レベルでとらえられるようになっています。その結果、肉を中心とする「欧米食」が、病気発生の一つの原因となっていることが明らかにされるようになりました。

人間は、穀類と野菜を中心とする「健全な菜食主義」によって肉体の健康を維持するようになっているのです。

適度な運動

人間は体を動かし汗を流したとき、全身の新陳代謝が促され、生体維持機能が正常に働くようになります。適度な全身運動は自律神経のバランスを整え、ストレスを解消して免疫を強化し、身体全体の恒常性機能を高めるなどの大きな効果をもたらします。運動には、何十もの効用が確認されています。その意味で適度な運動は、最も副作用のない“最高の薬”と言えますし、運動に匹敵する万能薬は他にはありません。

身体は活動することによって「神の摂理」に一致するように造られています。毎日を怠惰に過ごし肉体をなまらせていては、どれほど食生活に気をつけしっかり休養しても、決して健康にはなれません。運動不足の生活では健康は得られないのです。

最近になって運動の必要性が説かれ、多くの人々が運動を心がけるようになったのは良いことです。もっとも運動だけしていれば健康を維持できる、ということではありません。他の健康維持の条件を同時に満たしてこそ、肉体の健康は保たれるのです。

運動に関しては“適度”ということが大切です。プロスポーツやオリンピックの選手などは限界を超えて肉体を酷使し、その結果、絶えず故障を抱えるようになっています。プロスポーツ選手の多くが短命に終わっています。スポーツは確かに人々に喜びや希望を与えてくれますが、「肉体は霊の道具である」という本来の意味から考えると、さまざまな点で問題があります。

アスリートの肉体破壊もかえりみず、スポーツにスリルや刺激や興奮を求めるような社会的風潮は、霊的真理に照らしてみたとき明らかに間違っています。これは、まさに人間が本能に翻弄されている状態です。アスリート自身も、スポーツを通してこの世の富(お金・名声・権力など)を手に入れたいという「物質的価値観」に立脚した生き方をしているにすぎません。

十分な休養

地上人生において重要なこと、優先すべきことが何であるのかが分かっていれば―言い換えれば「霊的価値観」を人生の中心に据えていれば、肉体の健康をそこねるほど働くようなことはなくなります。健康を犠牲にしてまでやらなければならないような仕事は、本来、地上には存在しませんただし現在の地球上には、人間の“エゴ”がつくり出した貧困のために過酷な労働を強いられている気の毒な人々が大勢います)

現代先進諸国の大半の人間は、どうでもいいこと、さして大切ではないことのために多くの時間とエネルギーを費やし疲れ果てています。また、この仕事は自分以外にはできないという思い上がりや、独りよがりの思い込みによって肉体を無意味に酷使しています。

「疲れたら休み、エネルギーを蓄える」というのが摂理にかなった在り方であり、それが正しい身体の管理法なのです。「十分な休養」は、心(精神)と肉体のバランスを取り戻し、神が与えてくれた恒常性機能や免疫機能を正常に働かせることになります。

――以上のように健康・医学に関するスピリチュアリズムの基本的な見解を述べてきました。さらに詳しい内容について知りたい方は、日本スピリチュアル・ヒーラーグループホリスティック医学・健康学研究所のホームページをご覧ください。

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