(2)医学の在り方と問題点

心の力を無視した現代西洋医学

現代西洋医学の本質は“唯物主義”であり、心を“脳の産物”と見なしています。そのため心が肉体に及ぼす影響力を、ほとんど認めようとしません。心が肉体に及ぼす力は、実はどのような薬や医学的手段よりも強力なのです。言うまでもなく心の影響力を無視したところでは、効果的な治療を期待することはできません。肉体次元の対処法(薬物など)だけでは、とうてい肉体の異常(病気)を根治させることはできません。病気は人間の構成要素のアンバランスから発生するものである以上、霊や心を含む全体的・総合的なアプローチが必要となるのです。

人間を単なる物体と考える“唯物医学”は、臓器移植や無意味な延命処置といった間違った方向へ突き進もうとしています。

――“輸血”は現代医学では不可欠な医療手段と見なされていますが、「霊的事実」の観点からすれば正しい医学的方法とは言えません。その理由は、血液は一種の身体の臓器であり、そこには 物質的要素だけでなく「幽体質素」も含まれているからです。輸血によって全身的なバランスが崩されることになるのです。

手術前に自分自身の血液を採っておいて、それを自分に輸血する“自己血輸血”は、何も問題はありません。また将来においては、現行の輸血に代わる優れた方法が生み出されることになるでしょう。

ホリスティック医学の登場

二十世紀の半ばに、ホリスティック医学という新しい医学が登場することになりました。それまでの唯物医学は、人体を多くの部品からなる精密機械のように見なし、“病気”とは部品(臓器)の一つが悪くなること、“治療”とはその部品を正常にしたり他の部品と取り替えることであると考えてきました。

それに対し“ホリスティック医学”では――「人体のすべての部分が有機的関連性を持ち、全体で一つの有機的身体をつくり上げている」という見方をします。そのため身体全体の生命力・治癒力を高めるという“根本治療”を重視するのです。西洋医学が成人病・生活習慣病などの全身退化病に全くお手上げであるのに対し、ホリスティック医学は全身の機能向上をはかるというアプローチ(治療法)によって大きな成果を上げています。

霊的観点からすればホリスティック医学は、従来の唯物医学と比べてはるかに進歩しています。しかし、いまだ「霊」や「霊体」の存在を正面切って認めているわけではありません。さらには死後の世界の実在を、確固たる事実として認定するまでには至っていません。こうした点で現在のホリスティック医学は、霊的要素を取り入れた本当のホリスティック医学に至る過渡的プロセスにあると言えます。

将来の医学の方向性

肉体の驚異的なシステムをの当たりにするとき、私たちの肉体は、神が最高の知恵を結集して造られた作品であることを認めざるをえなくなります。しかもその肉体は、ただ精妙に造られているばかりでなく、わずかな狂いもなく維持されるような仕組み(恒常性機能)をも神から付与されていることが分かります。さらには肉体が何らかの理由で壊れかけると、すみやかにそれを修理修復するシステムさえも、あらかじめ与えられているのです。人間の肉体には、神の叡智と配慮がぎっしりと詰まっています。したがって私たちの肉体は、かなり不自然に使ったり酷使しないかぎり、健康が維持されるのは当たり前のことなのです。

しかし現在、地上で生活している人間の中で、健全な肉体を持っている人はきわめて少数です。その事実は、人間がいかにストレスを抱えているか、いかに肉体を間違って使っているか、不自然な取り扱い方をしているか、ということをよく示しています。大半の人々が健康維持のための条件を、大きく踏み外しているのです「健康のための四つの条件」については、次の(三)で取り上げます)

霊的真理が普及するにともない、摂理にそった自然な生き方が常識となっていきます。そしてこれまでの医学の健康観や治療観が、根本から変化するようになっていきます。将来の医学では、健康維持のための“養生法(予防医学)”が重要視され、治療としては“自然治癒力”を活用する方法が中心になっていくようになります。免疫治療などの方法が主流になっていくことでしょう。

こうしたプロセスを経て、「霊的要素」を取り入れた本物のホリスティック医学が確立されていくようになるのです。

“死”に関する医学の問題

大半の人々は“死”を最大の悲劇と考えています。しかしこれまで何度も述べてきたように、死は決して悲劇的な結末ではありません。それどころか死は、病気の苦しみから地上人を解放してくれる喜ばしい瞬間なのです。本来は、医者が遺族に対してそうした霊的真理を語って、心の持ち方を整理してあげるべきなのです。

また“生命”は神から与えられたものである以上、死への旅立ちのプロセスは自然の成り行きに任せなければなりません。人間は、死ぬ時がくれば必ず死ぬのですから、安楽死のようにわざわざ死を早めることは間違いです。外見上は“植物人間”として蘇生不可能のように思われても、本人の「霊的意識」はそうした状況下でさまざまな体験をしているのです。本当は医者自身が、こうした霊的世界と物質世界の両面にわたる事実を理解して、正しく対処すべきなのです。

――人間の“死”とは、霊体と肉体をつなぐ“シルバーコード”が切れる時のことです。したがってシルバーコードを見ることのできる霊能者が臨死現場に立ち会って、初めて「死の判定」ができるようになります。現代では“脳死”を死の認定基準としていますが、脳死状態を迎えてからも長期にわたって生存するといったケースが、しばしば報告されています。

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