(2)「類魂説」に立脚した再生論と、再生の目的

類魂と再生の密接な関係

高級霊の明かしたところによれば、「再生」という現象は確実に存在します。そしてその再生は、先に述べた「類魂」との密接な関係の中で行われるものであるということなのです。類魂と再生は一体不可分の関係にある、という重大な事実が、シルバーバーチなどの高級霊によって初めて明らかにされるようになりました。

従来、仏教などのように“輪廻転生”を説く宗教は数多くありましたが、霊界における詳細な事実と類魂についての明確な認識がなかったために、真実の再生論から大きく懸け離れたものになっていました。これまでの人類史上においては、輪廻再生の事実を正確に説明したものはなく、ほとんど空想と言った方がいいようなものばかりでした。地上人類は、スピリチュアリズムによって初めて真実の再生論を手にすることになりました。「類魂説」に立った再生の事実を知ることができるようになったのです。

再生の二つの目的

では、いったい何のために再生というようなことが行われるのでしょうか。なぜ人間は、再生をしなければならないのでしょうか。いったん霊界に入ったなら、そこで霊的成長の道を歩めばよいと思われるかもしれません。しかし人間の霊的成長にとって再生は、必要不可欠なプロセスなのです。再生をしなければ、霊的成長の道を歩むことはできないのです。

再生には二つの目的があることを、すでに『スピリチュアリズム入門』で述べましたが、ここでもう一度復習します。再生の目的の一つは――「個人が前世でつくったカルマを地上での苦しみを通して償う」ということです。この場合は、カルマの償いを他のメンバーに代わってもらうことはできません。自分自身でカルマを清算しなければなりません。もう一つは――「類魂全体の進化・向上のために類魂を代表して新たな地上体験を求める」ということです。再生には、こうした二つの目的があります。これがスピリチュアリズムによって初めて明らかにされた再生の目的です。

再生、すなわち人間の生まれ変わりという現象は、「類魂」という存在ならびに「類魂全体の進化・向上」という内容を踏まえたうえで理解されることなのです。これまで地球上の多くの宗教が、再生について説いてきました。しかし霊界における類魂の事実を知らなかったために、再生の目的について明確に説明することができませんでした。

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