(1)「再生論」をめぐるスピリチュアリズム内部の大論争
最も異論の多いテーマ
再生の問題は、スピリチュアリズムの歴史の中で、最も異論の多いテーマの一つでした。霊界通信を通じて再生を否定する霊がいるかと思えば、その一方で別の霊は再生の事実を強力に主張してきました。それが長い間、スピリチュアリズムの内部に大きな意見の食い違いを発生させる一因となってきました。
霊的能力の乏しい地上人同士の意見が食い違ったからといって大した問題とは言えませんが、私たち地上人とは比較にならない霊的能力を備えた霊界の人々の間において意見が異なるという事実は、この問題がきわめて複雑で難しいものであることを物語っています。再生の問題は、とうてい私たち地上人の手に負えるようなものではないのです。
霊たちの見解が相違するようになった理由
これまでのスピリチュアリズムの歴史の中には、霊能者や通信霊が再生を否定するといったケースがありました。しかしスピリチュアリズム自体が進化発展の歩みをたどる中で、高級霊によって、再生が確たる事実であることが霊界サイドから明らかにされるようになりました。それと同時に、どうしてこれまで霊たちの間において見解の相違が発生するようになったのかという点についても、明白な説明がなされるようになりました。
霊たちの間で再生についての意見が分かれる原因を一言で言えば――「通信を送ってくる霊自身の霊的成長度がさまざまである」ということです。ある程度の霊的高さにまで至らないかぎり、霊といえども再生の事実を知ることはできない、という事情があるのです。霊媒を通じて現れる霊の大半は、幽界や霊界の下層にいる者たちです。そうした霊たちには、再生の事実を知る経験も知識もないのです。
幸いなことに私たちは現在、シルバーバーチに代表される高級霊からの霊界通信によって、再生に関する詳細な事実を知ることができるようになっています。