8章 真理を知らないでいることは暗闇の中を歩くことです

半世紀以上にもわたって催された交霊会に出席するために、ロンドンのモーリス・バーバネルの私宅を訪れた人は、数も多ければ人物も多彩だった。海外旅行のハイライトとしてやってくる人もいれば、ロンドン市内から気軽に訪れる人もいた。

十一歳のジョン少年もその一人で、これが最初の交霊会への出席だった。幼いときに姉を失い、こんどは父親を不慮の事故で失って、母親と二人きりになったが、母親がシルバーバーチを通じて聞いていた二人からのメッセージをいつもジョンに語って聞かせていたので、十一歳の少年ながら、すでに死後の世界の存在を自然に信じるようになっていた。

まず、シルバーバーチの方からお父さんとお姉さんがここに来てますよと言い、二人ともジョン君と同じようにわくわくしている様子を告げると――

ジョン「ぼくは、お姉さんのことをよく知らないんです」

「でも、お姉さんの方はジョン君のことをよく知ってますよ」

ジョン「ぼくがまだ赤ちゃんの時に見たきりだと思います」

「いいえ、その赤ちゃんの時から、今のように大きくなるまで、ずっと見てきております。ジョン君には見えなくても、お姉さんの方からはジョン君がよく見えるんです。同じように目が二つあっても、ジョン君とは見え方がまったく違うのです。壁やドアを突き通して見ることができるんですから……

ジョン「そうらしいですね。ぼく、知ってます」

「ジョン君のような目を持っていなくても、よく見えるんです。霊の目で見るのです。霊の目で見ると、はるか遠い先まで見えます」

ジョン「お姉さんは今年でいくつになったのですか」

「それはとても難しい質問ですね。なぜ難しいかを説明しましょう。わたしたち霊の成長のしかたは、ジョン君たちとは違うのです。誕生日というのがないのです。年齢としが一つ増えた、二歳になった、というような言い方はしないのです。そういう成長のしかたをするのではなく、霊的に成長するのです。言い方をかえると、完全パーフェクトへ向けて成長するのです」

ジョン「パーフェクトというのは何ですか」

「パーフェクトというのは、魂の中のすべてのものが発揮されて、欠点も弱点もない、一点非のうちどころのない状態です。それがパーフェクトです」

ジョン「言いかえれば、ピースですか(※)

――peaceピースには戦争の反対の平和という一般的な意味以外に、日本語で表現できない精神的な意味がいくつかある。が、十一歳の少年がそう難しい意味で使うはずはないし、さりとて平和でもないので、原語のままにしておいた。

「そうです。パーフェクトになればピースが得られます。しかし実をいうと、“これがパーフェクトです”と言えるものは存在しないのです。どこまで行っても、それは永遠に続く過程の一つの段階にすぎないのです。いつまでも続くのです。終わりというものがないのです」

ジョン「でも、パーフェクトに手が届いたら、それが終わりとなるはずです」

「パーフェクトには手が届かないのです。いつまでも続くのです。これは、ジョン君には想像できないでしょうね? でも、ほんとにそうなのです。霊的なことには始まりも終わりもないのです。ずっと存在してきて、これからも休みなく向上していくのです。ジョン君のお姉さんも大きくなっていますが、地上のように身体からだが大きくなったのではなくて、精神と霊とが大きくなったのです。成熟したのです。内部にあったものが開発されたのです。発達したのです。でも、身体のことではありませんよ。だから、いくつになったかは地上のことだけで、こちらでは言えないのです。

そんなことよりも、ジョン君に知ってほしいことは、もうわかってきたでしょうけど、お姉さんとお父さんはいつもそばにいてくれているということです。これは、まだまだ知らない人が多い、大切な秘密です。いつもいっしょにいてくれているのです。ジョン君を愛し、力になってあげたいと思っているからです。

このことは、人に話しても信じてくれませんよね? みんな目に見えないものは存在しないと思っているからです。このことを知らないために、地上では多くの悲しみが生じております。理解すれば“死”を悲しまなくなります。死ぬことは悲劇ではないからです。あとに残された家族にとっては悲劇となることはあっても、死んだ本人にとっては、少しも悲しいことではありません。新しい世界への誕生なのです。まったく新しい生活の場へ向上して行くことなのですから……。ジョン君もそのことをしっかりと理解してくださいね。ジョン君は眠っている時にお姉さんに会ったことがあるので、少しは知っているでしょ?」

ジョン「今この目で見てみたいです」

「目を閉じれば見えることがあると思いますよ」

ジョン「この部屋にいる人が見えてるようにですか」

「まったく同じではありません。さっきも言ったように“霊の目”で見るのです。霊の世界のものは肉眼では見えません。霊の世界の音も、肉体の耳では聞こえません。

今お父さんが、とてもうれしいとおっしゃってますよ。もちろんお父さんは、ジョン君のことは何でも知っています。いつも面倒をみていて、ジョン君が正しい道からそれないように導いてくれているのですから……

ジョン「ぼくに代わって、礼を言ってくださいね」

「今の言葉はちゃんとお父さんに聞こえてますよ。ジョン君にはまだちょっと理解するのは無理かな? でも、ジョン君がしゃべることも、みんなお父さんにはわかるのです。フラッシュとなってお父さんのところに届くのです」

ジョン「どんなフラッシュですか」

「ジョン君が何かを考えるたびに、小さな光が出るのです」

ジョン「どんな光ですか。地上の光と同じですか。ぼくたちの目には見えないのでしょうけど、マッチをすった時に出るフラッシュのようなものですか」

「いえ、いえ、そんなんじゃなくて、小さな、色のついた明かりです。ローソクの明かりに似ています。それにもいろんな色があるのです。考えの中身によって、みんな色が違うのです。地上の人間の思念は、そのように色彩となってこちらへ届くのです。

わたしたちには人間は色彩のかたまりとなって映ります。いろんな色彩をもった一つのかたまりです。訓練のできた人なら、その色彩の一つ一つの意味を読み取ることができます。ということは、隠しごとはできないということです。その色彩が、その人の考えていること、欲しがっているもの、そのほか何もかも教えてくれます」

ジョン「スピリチュアリズムについて知ると、どういう得をするのでしょうか」

「知識はすべて大切です。何かを知れば、知らないでいた時より、その分だけとくをします。真理を知らないでいることは、暗闇の中を歩くことです。ジョン君はどっちの道を歩きたいですか」

ジョン「光の中です」

「でしたら、少しでも多くの真理を知らなくてはいけません。知識は大切な財産です。なぜなら、生きるための知恵は知識から生まれるからです。判断力が生まれるからです。知識が少ないということは、持ち物が少ないということです。わかりますね?

ジョン君は今、地球という世界に住んでいます。自分では地球は広いと思っても、宇宙全体からみれば、ほんのひとかけらほどの、小さな世界です。でも、その地球上に生まれたということは、その地球上の知識をできるだけ多く知りなさいということなのです。それは、次の世界での生活にそなえるためです。

さて、スピリチュアリズムのことですが、人生の目的は何なのかを知ることは、とても大切なことなのです。なぜなら、人生の目的を知らないということは、何のために生きているかを知らずに生きていることになるからです。そうでしょ? ジョン君のお母さんは前よりずっと幸せです。なぜかというと、亡くなったお父さんやお姉さんのことについて、正しい知識を得たからです。そう思いませんか」

ジョン「そう思います。前よりも助けられることが多いです」

「ほら、ジョン君の質問に対する答えがそこにあるでしょ? さて次の質問は?」

ジョン「地上の人間が発明するものについて、霊の世界の人たちはどう思っていますか。たとえば原爆のことなんかについて……

「これは大きな質問をされましたね。地上の人たちがどう考えているかは知りませんが、わたしたちが考えていることを正直に申しましょう。

地上の科学者は、戦争のための実験と研究にはっぱをかけられて、その結果として原子エネルギーという秘密を発見しました。そしてそれを爆弾に使用しました。しかし本当は、その秘密は人類が精神的・霊的にもっと成長して、それを正しいことに使えるようになってから発見すべきだったのです。もうあと百年か二百年のちに発見しておれば、地上人類も進歩していて、その危険な秘密の扱い方に手落ちがなかったことでしょう。

今の人類は、まだまだうっかりミスの危険性があります。原子エネルギーは益にも害にもなるものを秘めているからです。ですから、今の質問に対する答えは、地上人類が精神的・霊的にどこまで成長するかにかかっている、ということになります。わかりますか」

ジョン「最後におっしゃったことがよくわかりません」

「では、説明のしかたを変えてみましょう。原子エネルギーの発見は、時期が早すぎたということです。人類全体として、まだ自分たちが発見したものについて正しく理解する用意ができていなかったために、それが破壊の目的のために利用されてしまったのです。もし十分な理解ができていたら、初めから有効な目的のために利用されていたことでしょう。

そこで最初の質問に戻りますが、もしも地上の科学者のすべてが正しい知識、霊的なことについての正しい知識をもっていれば、そうした問題について悩むこともなかったことでしょう。出てくる答えは決まっているからです。霊的な理解ができていれば、その発見のもつ価値を認識して、その応用は人類の福祉のためという答えしか出てこないからです」

ジョン「それが本当にどんなものであるかがわかったら、正しい道に使うはずです」

「その通りです。自分の発明したものの取り扱いに悩むということは、まだ霊的理解力ができていないということです」

ジョン「幽霊と霊とは、どう違うのでしょうか」

「これはとてもいい質問ですよ。幽霊も霊の一種です。が、霊が幽霊になってくれては困るのです。地上の人たちが幽霊と呼んでいるのは、地上生活がとてもみじめだったために、いつまでも地上の雰囲気から抜け出られないでいる霊が姿を見せた場合か、それとも、よほどのことがあって強い憎しみや恨みを抱いたその念がずっと残っていて、それが何かの拍子に、その霊の姿となって見える場合の、いずれかです。

幽霊さわぎの原因は、大てい最初に述べたタイプ、つまり、地上世界から抜け出られない霊のしわざである場合が多いようです。死んで地上を去っているのに、地上で送った生活、自分の欲望しか考えなかった生活が、その霊を縛りつけるのです」

ジョン「もう質問はありません」

「以上のわたしの解答に、ジョン君は何点をつけてくれますか」

ジョン「ぼく自身がその答えがわからなかったんですから……

「わたしの答えが正しいか、間違っているか、ジョン君にはわからない――よろしい! わからなくてもかまいません。大切なのは次のことです。

ジョン君は地上の身近な人たちによる愛情で包まれているだけでなく、わたしたち霊の世界の者からの大きな愛情によっても包まれているということです。目には見えなくても、ちゃんと存在しているのです。何か困ったことがあったら、静かにして、わたしか、お父さんか、お姉さんか、誰でもいいですから、心に念じてください。きっとその念が通じて、援助にまいります」

別の日の交霊会で、同じ原爆の問題が取り上げられ、次のような質問が出された。

「国家が、そして人類全体が、原爆の恐怖に対処するにはどうすればよいでしょうか」

「問題のそもそもの根元は、人間生活が霊的原理に支配されずに、明日への不安とどん欲、ねたみと利己主義と権勢欲によって支配されていることにあります。残念ながら、お互いにたすけ合い、協調と平和の中で暮らしたいという願望は見られず、自分の国を他国より優位に立たせ、他の階層の者を犠牲にしてでも自分の階層を豊かにしようとする願望が支配しております。

すべての制度が、相も変わらず、唯物主義の思想を土台としております。唯物主義という言葉は、今日ではかなり影をひそめてきているかも知れませんが、実質的には変わっておりません。誰が何と言おうが、この世はやはりカネと地位と人種が物を言うのだ、と考えております。そして、それを土台として、すべての制度をこしらえようとします。永遠の実在が無視されております。人生のすべてを目で見、耳で聞き、手で触れ、舌で味わえる範囲の、つまり、たった五つの感覚で得られる、ほんの僅かな体験でもって判断しようとしています。

しかし、生命は物質を超えたものであり、人間は土くれやチリだけでできているのではありません。化学・医学・原子、こうしたもので理解しようとしても無駄です。生命の謎は、科学の実験室の中で解明される性質のものではありません。魂をメスで切り裂いたり、化学的手法で分析したりすることはできません。なのに、物質界の大半の人間は、霊的実在から完全に切り離された生活を営んでおります。物質こそ生命と思い込んで、最も大切な事実、全生命の存在を可能ならしめているところの根元を無視しております。

地上の全生命は、“霊”であるがゆえに存在しているのです。あなたという存在は“霊”に依存しているのです。実在は物質の中にあるのではありません。その物的身体の中には発見できません。存在のタネは身体器官の中を探しても見つかりません。あなた方は今の時点において、立派に霊的存在なのです。死んでこちらへ来てから霊的なものを身につけるのではありません。母胎に宿った瞬間から(物的身体をたずさえた)霊的存在であり、どうもがいてみても、あなたを生かしめている霊的実在から離れることはできません。地上の全生命は霊のおかげで存在しているのです。なぜなら、生命とはすなわち霊であり、霊とはすなわち生命だからです。

死人が生き返ってもなお信じようとしない人は別として、その真理を人類に説き、聞く耳をもつ者に受け入れられるように、何らかの証拠を提供することがわたしたちの使命の大切な一環なのです。人間が本来は霊的存在であるという事実の認識が人間生活において支配的要素とならないかぎり、不安のタネは尽きないでしょう。今日は原爆が不安のタネですが、明日はそれよりもっと恐ろしい、途方もないものとなるでしょう。

が、地上の永い歴史を見れば、力による圧政はいずれ挫折することは明らかです。独裁的政治は幾度か生まれ、猛威をふるい、そして消滅していきました。独裁者が永遠に王座に君臨することは有り得ないのです。霊は絶対であり天与のものである以上、はじめは抑圧されても、いつかはその生得権を主張するようになるのです。

魂の自由性(※1)を永遠に束縛することはできません。魂の自在性(※2)も永遠に拘束し続けることはできません。自由性と自在性は、ともに魂が決して失ってはならない大切な条件です。人間はパンのみで生きているのではありません。物的存在を超えたものなのです。精神と魂とをもつ霊なのです。人間的知性ではその果てを知ることのできない巨大な宇宙の中での、千変万化の生命現象の根元的要素である霊と、まったく同じ、不可欠の一部なのです。

※1――freedom 外部からの束縛・強制がないという意味での自由。

※2――liberty 心にとらわれがないという意味での自由。

以上のような真理が正しく理解されれば、すべての恐怖と不安は消滅するはずです。来る日も来る日も煩悶と恐れを抱き、明日はどうなるのかと案じながら生きることがなくなるでしょう。霊的な生得権を主張するようになるのです。霊は本来、自由の陽光の中で生きるべく意図されているからです。内部の霊的属性を存分に発揮すべきなのです。

永遠なる存在である霊が拘束され、閉じ込められ、制約され続けることは有り得ないのです。いつかは束縛を突き破り、暗闇の中で生きることを余儀なくさせてきた障害のすべてを排除していきます。正しい知識が王座に君臨し、無知が逃走してしまえば、もはや恐怖心に駆られることもなくなるでしょう。

ですから、ご質問に対する答えは、とにもかくにも、霊的知識を広めることです。すべての者が霊的知識を手にすれば、きっとその中から、その知識がもたらす責務を買って出る者が出てくることでしょう。不安のタネの尽きない世界に平和やすらぎを招来するためには、霊的真理、視野の転換、霊的摂理の実践をおいて、他に手段は有り得ません。

ストレスと難問の尽きない時代にあっては、正しい知識を手にした者は、“真理の使節”としての自覚をもたねばなりません。残念ながら、豊かな知識を手にし、悲しみの中で大いなる慰めを得た人が、その本当の意義を取り損ねていることがあります。

霊媒能力は神聖なものです。いい加減な気持ちでたずさわってはならない仕事なのです。ところが不幸にして、大半といってよい霊媒が自分の能力を神聖なものとは自覚せず、苦しむ者、弱き者、困り果てている人たちのために、営利を度外視してわが身を犠牲にするというところまで行っておりません。

また、真理の啓示を受けた者――長いあいだ取り囲まれていた暗闇を突き破って、目もくらまんばかりの真理の光に照らされて目覚めたはずの人間の中にさえ、往々にして我欲が先行して、滅私の精神が忘れられていくものです。まだまだ浄化が必要です。まだまだ精進が足りません。まだまだ霊的再生が必要です。

真理普及の仕事を託された者にわたしから申し上げたいのは、現在のわが身を振り返ってみて、果たして自分は当初のあの純粋無垢の輝きを失いかけてはいないか、今一度その時の真摯なビジョンにすべてを捧げる決意を新たにする必要はないか、時の流れとともにすすけてきた豊かな人生観の煤払いをする必要はないか……そう反省してみることです。

霊力の地上へのいっそうの顕現の道具として、おのれの全生活を捧げたいという熱意にもう一度燃えていただきたいのです」

祈り

ではお終いに、皆さんとともに、調和と愛の力によって可能なかぎり波長を高め、心配事や悩み事などの雑念を払い、内奥の魂を顕現せしめ、全存在の創造主、全創造物の統治者にあらせられる大霊に近づき、その尊き力と栄光による祝福を賜るべく、お祈りいたしましょう。

ああ、真白き大霊よ。あなたの子であり、あなたに似せて造られているわたしどもは、ささやかな叡智の蓄えに少しでも多くを加えるべく、敬虔さと真摯さと誠意とをもって、あなたに近づかんとしているところでございます。

これまでに学んだ知識は、あなたについての誤った認識を改めさせ、無限なる霊であるあなたに一層近づかせてくれました。あなたの霊妙不可思議な摂理が、あなたがこしらえられたこの宇宙に存在する生きとし生けるものすべてを制御し、規制し、維持しているのでございます。

あらゆる存在が、あらゆる生きものが、あらゆる動物が、あらゆる小鳥が、自然界のあらゆる生命が、あなたの摂理の恒常性と正確さに賛嘆の敬意を表しております。この果てしなき宇宙の全存在に完璧な配剤がなされているからでございます。自然界の全側面が、その一つ一つの動きに至るまで経綸している自然法則の命令にしたがって、調和とリズムをもって動いているのでございます。

狂いなき軌道にそって回る恒星、地軸上を自転しつつ公転をくり返す地球、規則正しく巡りくる四季、野菜・果物・花・樹木等々の植物、そしてあなたの神性をミニチュアの形で宿している子等の活動、こうしたものはすべて、荘厳なる全大宇宙を支えるその崇高なる力の発現にほかなりません。

それと同じ力の発現を物質界を超越した高き次元の境涯において見届けてきたわたしどもは、時の経過とともに、賛嘆の念が薄れるどころか、ますます強烈さを増し、この宇宙的大機構の中にあってわれわれなりに貢献せねばという気持ちを、畏怖の念とともに抱くのでございます。

そこでわたしどもは、こうした教訓を説き、範を垂れ、知識を広めることによって、聞く耳をもつ者、受け入れる用意のある人々に永遠不滅の真理を届け、彼らを一層あなたに近づかせ、また互いに近づかせ、光輝と威厳と尊厳と気高さの中に生きることを可能ならしめたいのでございます。真実の自我に目覚めた者は、ぜひそうあらねばならないのです。

かくしてわたしどもは、無知と頑迷と憎しみを生み出す暗黒を駆逐し、混乱と無秩序、敵意と貪欲を追い払い、破滅へと導く利己的物質万能主義を排除して、愛が支配し霊的真理が息づく平和の中で暮らせる地上天国を招来するために、微力を捧げる所存でございます。

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